音読が苦手な生徒の丸つけ方法

丸つけは本人ではなく先生がすべきだという話。

そして、陰山英男先生の大事なご指摘。
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「テストの採点を外注する流れは私は嫌だな。子どもを理解するのにこれほどよく分かる資料はないから。」

「これから教科書がデジタル化されれば、テストもデジタル化され、採点は人がしなくてもAI処理になっていくでしょう。ただそれで子どもが伸びるかというとそこは別問題だけど。」

「その授業は分かってることをやってるからつまらないのではなく、ゆっくりだからつまらないはずです。初めて学習する子どもでも、つまらないものはつまらないんですよ。ポイントを絞り、さっさと進める方ができない子どもも学習しやすいんです。」

当塾では中3になると自習課題といって、講習用の5教科テキストを1か月程度の期限で丸ごと出題する。通常の宿題と同時並行の取り組みになるので、生徒にとってはスケジュール管理も求められ、多々磨かれる。

その自習課題、1教科1冊で30ページ程度の分量があるが、それでも私は生徒に丸つけをさせない。自主性が養われるからと、解答冊子を渡して丸つけさせる先生もいるが、私は必ず私自身で丸つけをする。

生徒にとって解答を渡された場合、答えを見て学ぶことも無くはないだろうが、多くの場合は答えを見たら「ああそうか」で終わってしまう。次に繋がらないのだ。そして、陰山先生の指摘の通り、丸つけに「子どもを理解するための資料」がふんだんに隠されているのである。

さて、そんな私でも生徒自身に丸つけをさせることがある。
生徒に自分が解いた答えを読み上げさせて私が正誤を伝え、生徒自身に丸つけをさせる方法だ。

なんてことはない、学校でも塾でも一般的に行われている方法だろう。しかし、私の場合は意図がある。

「思考と手先」「思考と口」のように思考と各器官の連携がスムーズでない生徒は、音読が下手だ。目で追った文字を正確に読み上げることが難しく、何かと読み違える。助詞を抜かしたり、数字の桁を飛ばして読んだりする。そういう場合は、あえて生徒に答えを音読させる。つまり、「丸つけ」に「読む訓練」を加えて一石二鳥化してしまうのだ。

さらに、読ませながら「なぜそう答えたのか?」の発問をして、口頭で問答も出来る。

ただし、読ませる方法を取ったからといって、必ずしも全問読ませる必要はない。読む訓練にならない程度の問題であれば、私がすかさず赤ペンで生徒の手元に赤ペンをのばして丸つけしてテンポアップを図ってしまう。勢いをつけた方が生徒の気分は確実に乗る。

1番→口頭
2番→すかさず丸つけ
3番→口頭

このように、丸つけひとつでも都度手段を使い分けなければならない。ややこしいが指導側も常に頭を使うし、集中を求められる。だからこそ生徒にそれが薫陶(くんとう)されて生徒も頭を使い、生徒自身の集中力が高められるようになるのである。

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