「集中しなさい!」と、私自身子どもの頃に親から怒られていた記憶があるが、そもそも集中ということが分かっていなかった。
同居していた祖父が材木問屋を営んでおり、80歳を過ぎても毎日机に向かって何時間も仕事に没頭していた。今思えばそれが「集中」の姿そのものだったのだろう。
集中には訓練が必要で「集中しなさい」と叱れば集中力が身につくものではない。問題は、集中への入り口をどのように環境整備するか。
まずは短時間からスタートする。集中とは「飽きずに取り組める精神状態」のことなので、当塾であれば生徒の様子を見ながら自力で解ける問題を少量与える。ここで難しい問題を与えてはいけない。
そして、例えば少量の計算プリントを解いたら、すかさず次の少量の漢字プリントに移る。ここでも自力で解ける問題を与える。大人としては難しい問題を与えがちだが、それでは本人が壁を感じて思考を諦めてしまう。
もう一つの注意点として、取り組みと取り組みの間に妙な「間」を作らないこと。一つが終わったら、すかさず次に移行する。この「すかさず」が重要で、「どうだった?」と反応を求めたり小休憩を入れると子どもは気が逸れてしまう。
このようにして、例えば計算・漢字・パズルなど本人の多少気が向きそうなことを「解きやすく」「少量」「短時間」でどんどん場面展開していくのだ。
市販教材では陰山先生の『朝5分ドリル』が秀逸である。従来の鉄板だった『くもんの小学ドリル』は時代遅れに感じてしまう。
◆
例えば音楽の世界。
30年前のコンサート映像と現代のコンサート映像の違いはなんだろうか?YouTubeで比較すると分かりやすいが、最大の違いはカメラワークの切り替えのスピード感である。今の映像はとにかくカメラの切り替わりが速い。パッパッと歌詞のフレーズごとに画面が変化する。視聴者の集中を逸らさないためであろう。
一事が万事で、まずは自力で出来ることをサッサと場面展開しながらテンポよく短時間で取り組ませる。ここに最初の集中の種がまかれる。問題の難度を上げたり、取り組む時間を延ばすのは、その先の話だ。
◆
当塾についての詳細な情報はこちらをご覧ください。