【アクセス】
谷町四丁目から大阪メトロ中央線・近鉄けいはんな線の直通電車に乗ると、35分で終点の学研奈良登美ヶ丘駅に到着。
自然の緑と新しいマンションが混在するニュータウン。駅前には大きなイオンモールがあって、入口は建物の北東側が1階、南側が2階になっている。つまり、高低差の大きい丘陵地なのだ。
ということで、南に向かって長く緩やかな坂道をしばらく上っていく。右折に左折と、駅から徒歩8分(680m)で正門に到着した。
【奈良学園】
本キャンパスには奈良学園大学、奈良学園登美ヶ丘中・高、奈良学園小学校、奈良学園幼稚園があり、北側にある広大な総合グラウンドをおうぎ形で取り囲むように各校舎が林立している。
円形の屋根を載せた正門から木立のなかを中央校舎に向かって進んでいく。
中央校舎はC棟といって、そこに小学棟・中学棟・高校棟が東・南・西にそれぞれ接続されている。学園内では小1~小4、小5~中2、中3~高3という4年ごとの区切りでカテゴライズされており、それぞれの段階によって授業時間が異なるので、中央校舎にいるとさまざまなタイミングで授業チャイムが聞こえてくる。
校舎見学をしながら、小学体育館を覗くとガラスの向こうで小学生が跳び箱をしていた。本校の合同運動会では幼稚園から高校まで一緒に行われ、中学生が幼稚園児のソリを引くような種目もあるという。
【伸び率日本一を目指す】
これが本校の学校経営スローガン。大学受験に必要な総合的学力を養うコンセプトだが、探究力(協働・表現)、国際力(グローバル体験)、人間力(多彩な学校行事)といった目標も、それを目指すというよりも、最終的に「学力」に結実させる方針が強い。
【廊下の美術作品】
校内見学をしていたら、廊下に生徒の美術作品が展示されており、それがハイレベルだったので案内して下さった先生に「作品のレベルが高いですね!」とお伝えさせていただいたのだが、「うちの学校は勉強が中心になるので、こういった美術の作品は生徒にとって数少ない息抜きになるんですよ」と教えて下さった。恐らく、この部分が本校を把握する上での肝の部分であると思う。
【2022年大学合格者数】
卒業生126名に対して現役合格にしぼって見ると
◎国公立35(京都1、大阪5、神戸4)
◎同志社13
◎立命館28
◎関西28
◎近畿55
◎関西学院15
◎上智1
◎明治2
◎青山学院4
◎立教1
◎東京理科2
◎医学部医学科1(九州1)
◎歯・薬・獣医系39(国公立・私立合わせて)
縦に長く(幼稚園~高校)横に細い(学年ごとの人数が少ない)タイプの学校だが、アットホームな雰囲気で少数精鋭を確実に伸ばしていく姿勢が形になっている。文系に比べて、理系に進学する率が高い。
本校も大学受験は本人の意向を重視し、学校側が無理な大学受験を生徒に強いることはないと断言。
【現役大学進学率】
2022年最終の進学率は卒業生126名のうち
◎国公立大に進学=26名
◎私大に進学=78名
となり、合計で現役大学進学率は82.5%となる。
【志願者増が続いている】
そんなこんなで人気上昇中の学校であり、中学入試専願の倍率も昨年1.23倍から今年1.32倍へ増え、本校を第一志望とする受験生が増えている。
本校は高校募集をしておらず、定員160名のうち小学校からの内部進学50名程度+中入生110名程度で構成されることになる。
【沿革】
昭和36年(1961)中和学園設置。昭和40年(1965)奈良文化女子短大・短大付属高校(現在の奈良文化高校)を開学、昭和54年(1979)奈良学園中学・高校を開校(大和郡山市)。平成20年(2008)奈良学園登美ヶ丘幼稚園・小学校・中学校を開校。
【その他】
先生方から伺ったお話。
◎中1から中2は女子の方がコツコツ勉強するので伸びる。
◎男子は中3後半から大学受験まで一気に伸びてくる。
◎入試における誤答・減点対象
【まとめ】
縦に長く、横に細いタイプの学校と先ほど書いたが、各学年4クラスのコンパクトな学校。その分、濃密で優秀、真摯、誠実な先生方ばかりおられる印象。現在は東大寺学園や帝塚山など奈良のライバル私学に対して併願の位置づけが強い学校かもしれないが、「伸び率日本一を目指す」と安井校長がおっしゃる通り、年々難化が進むだろう。
そういう下品ではない、過激ではない、じわじわと上げてくる充実感のようなものが本校の校舎に充満していて、食堂に来たあたりから、私自身がこれまでになく「幸せに包まれた感」に強く抱かれてしまい、校舎を退出する際に先のご案内係の先生に思わず「私、校舎を歩きながら本当に幸せな気持ちになってしまいました」と吐露してしまった。
(2022年9月2日訪問)
◆
当塾についての詳細な情報はこちらをご覧ください。
個別専門塾 KJ LAB 入塾案内