テストや宿題の丸つけは指導者側がすべきである。
もちろん生徒数が増えれば、目玉となるテスト以外は先生がいちいち丸つけをすることは物理的に困難であろう。しかしそれでも私は【万難を排して先生は生徒の丸つけを直接するべきである】と考えている。
丸つけというのは、単に正解・不正解の〇×をつけるのみならず、【生徒との無言の対話】そのものである。
つまり、丸つけの中に【何が解けて何が解けないのか、生徒の得意と弱点】【モチベーションが高い、低いといった生徒の感情】【この課題をいつまで続けるか、次の展開】【ムラがある、考えて解いているか否か、といった、生徒自身の特徴と性格、美点と不得手】のようにその生徒にまつわるあらゆる情報が丸つけ作業から読み取れてくる。
なので、生徒に解答を渡して丸つけをさせる、こういった場面も時には必要なこともあるかもしれないが、多くの場面でこれをしてしまうと、貴重な情報を先生が見逃してドブに捨ててしまっていることになる。
神尾塾では生徒と談笑したりと、表面的なコミュニケーションを取ることは少ないが、どんなに私が忙しくても丸つけだけは私がする。私がしないのは確認テストのためのノート練習の丸つけといった、単純練習に関連する丸つけ程度かと思う。
学習塾は文部科学省の学習指導要領に縛られない分自由であるし、生徒に応じてタイムスリップも早送りも柔軟にできるが、この「丸つけ」には学習塾の仕事の奥深さ、醍醐味が潜んでいるような気がするのだ。