宿題の適量

指導経験の浅い人にとっては「どの分量で宿題を出せばよいか?」最も悩むところだと思う。
この勘所がつかめないと、宿題を多く出し過ぎたり、少な過ぎたり、生徒がパンクしてしまうほどの過大な量を与えてしまったりする。金魚のエサやりと同じで、エサは少なすぎても金魚の栄養がとれないし、多すぎても水質を悪化させてしまう

宿題の適量とは、次回の授業時に先生による「チェック機能」が全う出来る量であるかどうか。これに尽きる。

先生が次回授業時に扱えないほど多い量の宿題は適切でなく、次回授業時に手持無沙汰になる量の宿題も適切ではない。指導で最も大切なことは「チェック機能」であるので、「チェック機能を全う出来るかどうか」という基準で宿題の量を加減するのがよい。

当塾では学校の春・夏・冬休み期間に育伸社の「練成ゼミ」といった薄いまとめ教材を自習課題として3週間くらいの提出期限を設けて生徒に課すことがある。当然基本問題から応用問題まで混合しているため、ある種の「無茶ぶり」の要素が入っている。これはこれで意味があって、全問何が何でも自力で解けという訳ではなく、<出来る限りの自力を引き出しながら><調べられるだけ調べながら><自分から質問する力を身につけながら><解ける問題から解く要領を身につけながら><スピード感をもって進める>という5つの目的を潜ませている。

宿題の出し方ひとつ見ても、奥が深いのである。