若手の先生に教員になった理由を問うと「教えることが好きだから」と答える場合が多い。
私もはじめの頃はそうだったと思う。しかし、経験を積むにつれて「教えるべき場面」と「教えるべきでない場面」の使い分けが一番大事だと気づくようになった。何でも教えれば生徒が伸びるとは限らない。一方的に教えても生徒が受け身になって当事者意識を失えば逆効果になる可能性もある。
では、どのように「教えるべき場面」と「教えるべきでない場面」を見分けるか。
それは「再現性の有無」である。再現性というのは、教えたことを生徒が再現して解けるかどうか。再現性がないのに、先生が教えることに自己満足(自己陶酔)しているだけでは何の意味もない。
分かりやすい例で言えば、応用問題を解ける段階でない生徒に応用問題を熱っぽく解説したところで、最終的に生徒が再現できなければ、商品としての授業は成立しても、教育としては成立しないのである。
生徒が自分の頭と手を動かして問題を解けることが大事なのであって、そこを念頭に置けば「何を教えるべき」で「何を教えるべきでない」か、自ずと明らかになってくる。
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