成田からLCCで

昨年は秋から冬にかけて「大人の修学旅行」ということで、奈良・広島・京都編をそれぞれ掲載した。

やはり、最速27分(成田スカイアクセス線経由)で成田空港に到着するという新鎌ヶ谷の利便性は大きい。成田空港は今年4月からLCC専用の第3ターミナルが運用を開始してLCCのネットワークも拡大しつつあり、既存の国内線と合わせれば羽田発着と遜色ない位に国内の各都市に行くことが出来るようになった。また、LCCならばバーゲン料金を利用すれば、場合によっては片道3,000円程度で搭乗することも出来る。受託手荷物の料金やクレジットカードによる決済手数料などが数百円単位で加算されることもあるが、それでもトータルで見れば、羽田からJAL/ANAに乗ったり、東京駅に出て新幹線に乗るよりは極めて手軽に遠方へ出向くことが出来る。

むしろ私個人で言えば、もはや新幹線には乗れないな、という感覚がある。片道13,000円を出して東京~京都間を新幹線に乗るならば、成田~関空経由で京都入りし、日帰りで往復してしまった方が、先の新幹線代のみで往復の旅費と現地の電車・バス賃、食費が十分まなかえてお釣りも出るというものだ(その辺の具体例は昨年の塾通信過去記事を参照されたい)。これからは「親子で修学旅行」がどんどん出来るようになる。たまには父と息子で、母と娘で、日帰りで良いからふらりと各地を訪れるのも楽しいだろう。広島で原爆ドームや平和記念資料館を訪れることも非常に重要な人生経験になる。

さて、成田空港のLCC専用の第3ターミナルだが、最寄の空港第2ビル駅から搭乗口までは何だかんだ言って1km程度歩かなければならない。これは新鎌ヶ谷駅から初富のイトーヨーカドーまで歩く距離に相当するので、夏の暑い時期は特に体力に負担がかかる。なので、年配の方はLCCの利用は避けた方が良いだろう。マラソンのレーンのようにゴム舗装された専用通路を延々と歩くのだが、その後第3ターミナルに着いてからもエスカレーターや階段のアップダウンが続く。なので、出発時刻の1時間前には空港第2ビル駅に到着している必要がある。第3ターミナルの保安検査場前にはフレッシュネスバーガーなど今時の飲食店が連なっているので、これまでの羽田・成田に無かった斬新さで楽しい。

LCCについては「格安=怖い」というイメージを持つ人もいるかもしれないが、むしろ安全基準は大手航空会社よりも厳格に乗客に示され、乗ってみた結果「意外と良かった」と思うパターンがほとんどなのではないだろうか。シートベルトの着用も大手より厳しくチェックされたりする。乗客は旅行目的の若い人が多いけれども、決してカジュアルではなく、ある一定の規律を受け入れながら大人しく機内で過ごす、という一つの移動手段に特化してみんな乗っている、という感じだ(機内でのんびり過ごすというJAL/ANA便とは対照的)。問題はシートピッチ(前後の座席間隔)の狭さだろう。私の場合、かつて通常座席の狭苦しさに閉所恐怖症になりかけてパニックを起こしそうになったので、それ以降は980円を追加して足元の広い非常口座席を選ぶようにしている。狭いスペースが苦手な人は、これだけで十分欠点をクリアするので安心して搭乗出来る。

思い起こすに高校生の頃、スカイメイトという制度があって、私も東京駅前のANAの支店で会員証を発行してもらった記憶がある。これがあると予約なしで当日空席があれば普通運賃の半額で飛行機に乗れたのだ。それでも今思えば随分と高い料金を支払っていたのだなと思うのだが、今はせっかく鎌ヶ谷に住んでいるのだ。どんどん成田とLCCを活用して、各地で見聞を広めたい。

追記
老婆心ついでに書くが、今年日航ジャンボ機墜落事故から30年が経過した。飛行機は自家用車・バスに比べれば、確率的には大変安全な乗り物だと思うが、それでも一度事故が起きてしまえば取り返しがつかない。機材に身を預けている乗客にとっては為す術もないが、それでも緊急時の安全姿勢を練習しておいたり、酸素マスクの着用などの安全ビデオをよく見ておいたり、そうした身を守るための自分に出来ることをきちんとしておくことは、とても大切なことだと思う。