高校入試の内申点

まず、内申点とは通知表の5段階評定のこと。入試において県立高校は1年・2年・3年の内申点の合計で審査されること、私立高校は3年1学期または2学期のいずれか良い方の内申で審査されること(※上位校は例外もある)。これを押さえておこう。

現在は評価方式が絶対評価なので、5段階の数値付けもそれぞれの先生に委ねられている。私立入試は記載されたままの内申点を持ち点として12月の入試相談を迎えることになるが、県立入試の場合は学校によって高めに内申の付けられる学校と低めに付けられる学校のハンデを解消するために、以下の計算式を用いられる。

「X+α-m」。

X=1年3学期+2年3学期+3年2学期の9教科5段階評価の内申の合計(オール5の場合、5×9教科×3年分で最高135点)
α=千葉県評定合計の平均値「95」(千葉県全体の中3生が持つ内申の平均)
m=各中学校の評定合計平均値(その中学校の3年生が持つ内申の平均)

この「α-m」という部分に注目すると、
内申の付け方が甘い学校で、m値が95よりも上回っていれば、その上回った分をマイナスされることになる。逆に内申の付け方が厳しい学校で、m値が95よりも低ければ、その下回った分を個人の内申点に加算されることになる。

具体例で見てみよう。

今春の平成27年度入試において、m値の最高(県内で最も内申の付け方が甘い)は印西市の本埜中学校で「104」、最低(内申の付け方が最も厳しい)で野田市の川間中学校と木間ヶ瀬中学校が「85」だった。

m=104の本埜中学校では、104から95を引いた9ポイントが本埜中学校の全受験生からそれぞれマイナスされることになり、これは「学校の内申の付け方が全体的に甘いから他校とのバランスを取るために超過した分を引きましょう」ということになる。

m=85の川間中学校と木間ヶ瀬中学校では95から85を引いた10ポイントが生徒一人ひとりの内申点に加算される。これは「学校の内申の付け方が全体的に厳しいから、他校とのバランスを取るために、おまけのポイントをつけてあげましょう」ということだ。

次に、千葉県全体を見渡して評定の付け方を見ていくと、
「1」を一切付けない学校も少なくないことに気づく。また、千葉市の幕張中学校のように「1」を全体の0.8%に各教科一律でしぼっている学校もある。他にも評定「1」を12%の生徒に付けている学校もあるし、「1」は1%にも満たないが「2」を25%(生徒4人に1人)に付けている学校もある。逆に「5」を全体の30%の生徒につけている学校もあれば、保健体育で56%の生徒が「5」を付けられている中学校もある。

評定の付け方は同じ学校でも年度ごとに変わるし、前年に厳し目につけた学校が翌年に甘くなる例もあるが、主要5教科よりは、音・美・技家・保体の実技教科の方が高評定になりやすいのは各校に共通している。

鎌ヶ谷市の中学校だが、軒並み「95」よりも下回っているので、全員1~5ポイントが内申点に加算されている(具体的な数値は学校ごとに異なる)。これは船橋の八木が谷中、白井の大山口中も同様。これらの学校の内申の付け方はごく平均的で特筆することもないが、「オール3は決して中間ではなく、3と4が同程度混ざった状態がちょうど順位的に中間地点だ」ということはざっくりと認識しておくべきだろう。