暗記が優先か、調べが優先か

小学生の漢字学習について。
当塾では以前、漢字を「覚えること」を主体にしていたが、現在は「調べること」に比重を移している。

もちろん「覚える方法」を用いながら、一枚の漢字プリントを全問正解できるまで練習させて、確認テストを満点合格させてから次のプリントに進む方法も無くなったわけではない。

しかし、最新の私の考え方としては
「覚えること」よりも「辞書を調べること」にリズム感を速めた方が、生徒自身の「生きる力」が育まれるのではないかと思っている。

私の塾における中核の考えは「自力で解決する力を身につけること」である。
したがって、どんなに不器用だったり愚直な方法であっても、自力で解を見つけ出すことが最も貴いと考える。

この意味から、今の玉石混交かつ膨大な情報の海の中で、同音異義語も見分けながら出来るだけスピーディに漢字を辞書から抽出する力を身につける方が実用的だ、となる。

もう一点。
自力で書いた漢字は黒字、辞書で調べた漢字は赤字、という風に当塾では色を使い分けているが、「赤字で書くことは恥だ(怒られる)、だから黒字で書かなければいけない」という罪悪感や先入観から離れて、調べた漢字でも自力で書いたように装って黒字で書くことなく、分からない漢字は堂々と調べて、堂々と赤字で書いて欲しい

分からないことに罪悪感を持つ必要はなく、さっさと調べればよい。むしろその一連の過程のスピード感を上げた方が自身の成長に資する、という考えである。