学力は記憶力

学力の高い生徒は、基本的に記憶力が良い。
暗記中心の勉強が「詰め込み教育」だということで昨今のアクティブ・ラーニング(生徒の主体性を養い、思考力を高める勉強法)型の教育法に光が当たりつつあるわけだが、それにしたって覚えることは覚えていないと勉強が先に進まない。

複雑な因数分解をアクティブ・ラーニングでクラスメイトと議論して解こうとしたところで、土台になる基本的な因数分解が定着(つまり記憶)していなければ応用は困難でしかない。

基本的な覚え方としては、「書く→丸付け→隠す→書く→丸付け→隠す」この繰り返しが鉄板だろう。理屈を知ったほうが覚えやすい、という考え方もあり、それはもちろんそうだ。しかし、あまり理屈が多すぎるとそれはそれで生徒としては取っ付きづらくなりモチベーションが落ちるから、意味の理解を最初に持ってくることはほどほどにしておいた方が良い。(ただし歴史に関しては日ごろから家庭で大河ドラマを見る習慣があるとか、そういったビジュアルの要因で流れをつかんで暗記が得意になるパターンが多い)

芸術品に触れる心構えを説いたことばとして、民芸運動家の柳宗悦(やなぎ・むねよし)の「見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ(まず見てから知識を知りなさい、知識を知ったらまた見なさい)」がある。これになぞらえて「まず覚える。覚えたらその理屈を知る。理屈を知ったら覚えが深まる」という風に読みかえることも出来るだろう。