姿勢を正す

今年の学校訪問はこれでおしまい。計20校。

城南学園のところでも書いたが、学校訪問の醍醐味は授業見学であり、生徒のありのままの姿を見ずに何のために学校訪問するのか、という話だ。
最も印象的だったのは、大阪市立ビジネスフロンティア高校。旧商業高校だが、実学の楽しみというか、中途半端に普通科で大学進学のための勉強をしているよりも、専門性の高い学校の方がよほど生徒たちも生き生きと目を輝かせながら授業に参加している。

一方、中途半端な進学校と言ったら語弊があるが、生徒が机に突っ伏して寝ていたり、ダラッと顎を机につけながら授業を聞いているフリ?をしている者が散見される学校も少なくない。

当塾でも、まず「返事」を必ずさせるところから指導が始まるが、千葉時代も含めて新入塾の9割の生徒はロクに返事が出来ない。返事は社会人になってからのメールやLINEの返信にも繋がり、また話を聞いているかどうかのリスニングの問題にも関連するので、絶対に小中学生の時に習慣づけしなければならない。

まともに返事が出来るようになって初めて学力を伸ばすスタート地点に立つといえる。

しかし、学校説明会で他の塾関係者を見ていても、自分が使用した椅子を仕舞えないとか、3つ椅子が並んだ席の中央に荷物を置くとか、授業見学中に廊下で談笑したり、あろうことか自塾の生徒に気づいてもらおうと手を振ったり声を掛けたり、全くデリカシーのない人間が「先生」と呼ばれる立場で塾の仕事をしていることにも気づく。

私の持論だが、雑音に向かって声をあげてもかき消されてしまうように、姿勢が出来ていない者に何を教えても無駄だし、何の知識も技能も入っていかない。その意味で、近頃は生徒・子供に大人が気を遣いすぎているというか、ビクビクしているというか、鈍感というか、それなりの信念を持って毅然と生徒に向かっている先生は学校・塾問わず多くはないように思える。

いまの教育の問題の本丸はアクティブラーニングでも英語四技能でもなく、生徒の姿勢を正すこと、それの出来るまともな指導者が増えることに尽きるのではないか。