西武台千葉中学・高校(野田市)

東武アーバンパークラインに乗って新鎌ヶ谷から48分(柏から33分)で川間駅に着く。鎌ヶ谷を出て常磐線に乗るとすぐ茨城県に入るのに、東武線に乗ると延々と千葉県が続く。そこで、千葉県のゆるキャラ、チーバくんを思い出してみると、チーバくんの鼻先がグーンと伸びていることに気づく。そのチーバくんの長い鼻の先端の黒くなったあたり。これが川間駅である。この駅は千葉県最北端の駅で、東武線では川間を出るとすぐ埼玉県に入る。3駅10分で春日部に着いてしまうのだ。

川間駅北口から徒歩20分で本校に着く。スクールバスは坂東方面しか出ていないので、川間からは歩くしかない。6月下旬とはいえ、30度近い気温。灼熱のアスファルトを汗だくでひたすら歩く。最後の5分は森の中の切り通しのような道を歩いて本校に入る。この切り通し、隣接する公立中学校の通学路も兼ねているが夜間は真っ暗で怖いかもしれない。

本校は中里工業団地の一角に位置しており、周囲は工場・倉庫に囲まれている。先ほど歩いてきた道の方面にのみ住宅地が開けている。まあ、この徒歩20分の道のりを毎日歩いて往復するだけでも相当な体力づくりになる。校地は広く、グラウンドにゴルフ練習場、全天候型テニスコート、陸上専用レーン、バッティング練習場、ボクシング場、レスリング場まで完備されており、スポーツ向きの生徒にとっては好環境だ。

今年は高校が30周年、中学校が24周年となる。埼玉県新座市に西武台高校・新座中学校があるが、こちらは既に経営分離されているので現在は無関係。本校の広報のタイトルは「槙(まき)」となっているが、校地が槙の森を切り開いて開発されたことに由来している。

生徒数は1,144名で、スポーツ推薦で入学した生徒の体育クラスが各学年に1クラスずつ設けられている。体育クラスは男子のみで、その他のクラスは男女比同程度。スポーツに関して見ると、バドミントンと陸上は既に今年のインターハイ出場を決めており、その他の活動も全国または県レベルで上位に位置している。部活動の加入率は80%以上で、部活に入りたいから本校に入学する生徒も増えている。生活指導・環境美化は開校以来指導の軸となっており、東武線で生徒が人知れず車内のゴミを拾っていたのを乗客が目撃して、「すごいですね」と電話を掛けてきたことも一度ではないという。

施設面では、今年男女全てのトイレ改装が完了した。また、コンピュータ室の計100台のPCは3年おきに新調している。今夏はWindows7から8.1へ入れ替えが行われる(業者に頼らず教職員が設置作業を行うことで、コストダウンを図っている)。図書館は閉架式で他校に比べて蔵書は多くない。閲覧席で自習も出来るが、平日は午後4時45分まで、休暇中は午後1時までと開館時間は短い。進路指導室に併設された自習ブースでは、受験サプリなどのPC教材を活用できる。

その他の取り組みを見てみよう。まず、「100日後の手紙」。これは学習計画表が形骸化していることへの対応策で、3ヵ月後の自分に宛てた手紙を書き、その都度3ヶ月間を振り返らせて次の生徒自信の指針に繋げるというもの。「アカデミラジオ」は生徒が自力で読まなくなった夏目漱石や芥川龍之介の小説を教員がラジオ形式で朗読し、ちょうどいいところで「続きは本を読んでね」と切るそうである。

納入金の面では、授業料の負担軽減に力を入れている。国の就学支援金(年間約12万円)だけでなく、千葉県の助成(授業料の2/3)・学校独自の助成(授業料の1/3)を適用されて、現在生徒の4人に1人は授業料無償で通学しているということだ。これ、押さえておくべき情報だろう。

給食は1食470円。各学年の3分の1の生徒の兄弟姉妹が在校生という特徴もあり、一度入学してしまえば各家庭からの信頼も厚いということだろう。中学校は首都圏模試の偏差値で40程度だが、中高一貫コースで伸ばし、仮に中学時代に60人中60位であっても、高校に行けば外進生も含めて全体の中位程度の学力まで上昇している。保護者との連絡も密に取っており、「WEBでスクールプラス」というインターネットを介した校内の連絡手段を活用して、行事写真や生徒間のトラブルなどもそこで共有している。

授業の様子だが、スポーツコースは英語の授業中半数近くの生徒が机に向かって突っ伏している、という状況も見えたが、その他特選・特進・中学校の各クラスは落ち着いて授業がなされていた。廊下を歩く見学者の様子が気になってキョロキョロしている生徒も少なくは無かったが、それでも充分安心して通える学校とはこういう学校のことを言うのだろう、と、納得しながら帰路についた。

(6月25日訪問)

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kamiojuku