特別支援学校の相談会より

7月9日、松戸市のふれあい22で特別支援学校の進学を中心とする相談会が開催された。つくし・湖北・我孫子(清新分校)の各特別支援学校の先生方のほかに松戸市の教育委員会教育研究所、こども発達センターの各先生方が講演された。

主催は、昨年末から今春にかけて「まつど発達支援ガイド」のお手伝いをさせていただいた「Beans」のみなさん。
http://kotoku-j.cocolog-nifty.com/kamiojuku/2014/03/post-396f.html

以下、概要をメモしておきます。

◎特別支援学校の学校選び

*受験する場合は8月から教育相談を。何度も学校見学すること。
*入学した後に「自分はなぜこんな学校に入ったのか」と疑問・不満を持ってしまう生徒もゼロではない。ギリギリで焦って入学した生徒にこのパターンが多い。本人が納得して学校を選ぶことが大切。
*時間の余裕が無い状態で学校を判断する際、焦って学校を決めずに、1年待つ(1年浪人になる気持ちが重いのは承知の上で)選択肢もある。不登校の生徒で、焦って特別支援学校に行ってしまった生徒もいる。

*専門学科・職業コースに不合格となって、普通科へ入学する生徒は多い。
*普通科には定員がないが、専門学科は定員制で、受験日は他の専門学科・普通科職業コースと重なるので、学校同士が競合することになる。

◎特別支援学校の受験

*受験には療育手帳または診断書が必要。入試は主に「学力・作業能力・運動能力」の各検査と「面接」がある。
*特別支援学校の専門学科を受験してから県立高校を受験することは制度的には可能だが、特別支援学校普通科の入試日と県立高校の前期入試日は同日であり、特別支援学校普通科には後期日程がないため、事実上併願は出来ないよう(させないよう)になっている。つまり、特別支援学校を希望する場合は「専門学科受験→普通科受験」の流れが基本。県立高校を受験する場合は「前期日程→後期日程」の流れが基本。結局のところ、特別支援学校と一般の県立高校をクロスして受験することは現実的ではないということ。
*「普通科職業コース」および「高等部専門学科」9校は併願出来ない。(※9校のうち千葉県北西部に位置する学校→流山分教室・清新分校・市川大野・流山・湖北)

*平成27年春に新しく特別支援学校は5校(松戸矢切・船橋旭・習志野・大網白里・飯高)開校する。
*普通科に入学した後、一旦退学して専門学科・職業コースを再受験して入学することは制度的には可能で、実際にそうしている生徒もいる。ただし、それよりも入学した普通科で頑張って卒業して、卒業後就労支援施設を利用した方が現実的ではないか?(就労支援施設の数は年々増えている)

◎入学後のコース変更

*千葉県で専門学科を持った特別支援学校は「流山(園芸技術科、工業技術科、生活技術科、福祉・流通サービス科)」「市川大野(園芸技術科、工業技術科、生活デザイン科、流通サービス科)」「湖北(流通サービス科)」のみ。入学時にコースを決定し、入学後はコース間の移動が出来ない。「流山分教室(柏)」「清新分校(我孫子)」は普通科のなかに職業コースがあるという位置づけ。1年は共通カリキュラムで、2年次に進む際にコース選択。2-3年次に専門課程を学ぶ。どちらも、企業での就労を目指す点は同じ。
*色々な学校に行き、子供自身が学校を判断すること。受験直前ではギリギリすぎる。湖北では流通サービス科として入学するが、入学後に「ビジネスサービスコース」「フードサービスコース」を選択できる。流山では学科ごとに分かれているので、一旦入学したら変更できない。

◎療育手帳

*手帳を所有して特別支援学校に入学しても、入学後に更新が出来ず、精神保健福祉手帳に切り替える生徒もいる。
*手帳の更新を本人が拒否して、障害者枠での仕事を辞めて自力でハローワークに行って職探しをしたが、結果挫折し、療育手帳を再取得して障害者枠での雇用を求める例もある。
*手帳がなくても特別支援学校には入れるが、卒業後に障害者枠(2%)で就労するためには療育手帳が必要なので、結果として取得すべき。(療育手帳がないと、企業にとってのメリットがない)

◎就労について

*障害者雇用は従業員数の2%が法律で義務化されている。障害者雇用には、実際問題として、療育手帳が必要。
*就労は出来る・出来ないよりは「意欲」が重要。

◎特別支援学校の学校生活

*制服について。普通科は標準服。標準服ということは、私服でも良いということ。ただし、自力で通学できる生徒は制服が多い。また、専門学科・普通科職業コースは制服着用となる。

◎発達検査について

*同じ検査を受ける場合には、1年以上間隔をあける。

◎我孫子特別支援学校清新分校

*沼南高柳高校の中のワンフロアを使用しており、他の特別支援学校に比べて狭い。文化祭・体育祭などの行事は沼南高柳高校と合同で行い、生徒同士が交流する。専門設備を持たない。
*2年の前期で「マルヤ」など地域での職業体験を行う。コース実習は「フードデザイン(焼き菓子づくり)」「メンテナンスサービス(清掃)」「ロジスティック(物流・外注・事務)」に分かれる。

◎湖北特別支援学校

*元・湖北高校の校舎を活用。平成26年春開校で、普通科と専門学科を両方抱えているのは千葉県では初のケース。
*専門学科で唯一給食がある(県立高校には給食がない。特別支援学校普通科は給食がある)。
*スクールバスは普通科の生徒のみ。専門学科の生徒は就労を目的としているため、スクールバスの利用が出来ない。

以上。
簡潔ではないが、特別支援学校の受験についての疑問は、上記で相当解消出来るのではないか。貴重かつ有意義な場を提供して下さった、主催のBeansの皆さんに感謝。

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kamiojuku