数英国の3教科に関して、大阪府立高校の特別選抜A,B、一般A,B,Cの計5種類という入試問題の細分化は「やり過ぎ」だと思う。特選A問題から一般C問題まで全部解くだけでも、大変な労力である。
こちらのサイトによると、「中学校生徒数」の都道府県ランキングはやや古いが2014年で
◎1位=東京都 311,841人
◎2位=大阪府 248,947人
◎3位=神奈川県 236,462人
となっている。
入試問題の種類は概ね以下の通りだ。
◎東京都=推薦入試+一般入試1種類(※難関校のみ自校作成問題)
◎大阪府=特選入試2種類+一般入試3種類
◎神奈川県=一般入試1種類
都立高校10校(日比谷・西・国立・八王子東・戸山・青山・立川・新宿・国分寺・墨田川)は自校作成の独自問題ということで、大阪よりも東京の方が種類多いじゃないかというカウントも出来るのかもしれないが、神奈川が1種類であることを見れば、大阪の5種類は明らかに多い。
もちろん、1種類の入試問題で難関校から学力面で厳しい学校まで、選抜の全てを網羅することも無理は多い。大阪の一般A+B、B+Cレベルの2種類くらいが妥当ではないか、と私は思う。ここで疑ってしまうのは、かつて公務員天国と呼ばれた大阪府・市の旧体質が、仕事を増やすために入試問題を5種類まで増幅させたのではないかということである。毎年5種類も問題を作り続けていれば、重複するような問題やネタ切れも出てくるし、それでも公立高校入試の質も確保しなければならず、かなり多くの人員が入試担当に割り当てられているはずである。
もしそういう原因があるとすれば、将来的には行政のスリム化で入試問題の数削減へとメスが入っていく可能性はある。スリム化という点で大阪都構想の成否とも無縁の話ではないだろう。
都構想の開票が来週に迫っているが、
私自身は東京の江東区という特別区で生まれ育って20年間過ごしてきたので、区立小・中学校を卒業し、ごみ処理は都の回収車が走っているという区と都の役割分担を当たり前のものとして体感してきた立場である。東京は特別区ごとに例えば道路のガードレールのデザインが異なり、江東区は「かわなみ」という水路を模したデザインが採用されているが、こういった区ごとのビジュアルの違いが、より詳細な郷土愛を醸成させていたりする。特別区同士が「ブランディング」競争を自ずと行って、特別区全体としての東京ブランドのようなものが磨かれていった気はする。大阪でも、もし特別区設置が実現すれば「今の大阪市よりも、もっと大阪らしい大阪4区」に変貌していくのだろうと予測できる。
私が現地で生活していた頃は湾岸地域の開発が盛んであったので財政も潤い、小中学校の給食では「ハーゲンダッツ」のアイスクリームが毎学期ごとに必ず出ていた。足立区・葛飾区あたりではあり得ないことだったかもしれない。そういった細かい格差の実感のようなものが特別区同士でこれから大阪でも出てくるのかもしれないが、これから住民投票の動向に目が離せない1週間となる。