脱ゆとり教育、その後

神尾塾の塾生のタイプは、以下のように大きく3つに分かれる。

【1】勉強が上手くいかなかった地点から開始し、順調に伸ばしながら現在では学校よりも速い進度で授業を進めて受験準備を進めるタイプ。
【2】学力不振の状態から開始して、過去学年の復習を行っている途上のタイプ。
【3】個別の事情、独特の特性のあるタイプ。

これらの区別に優劣があるわけではないし、一人の生徒が複数の項目を兼ねている場合もある。また、通塾を続けていく中で【2】が【1】に進化していく例も多数ある。新入塾生が多い時期は、塾生における【1】【2】【3】の割合は3:4:3といったところで、【2】が【1】に進んでくれば4:3:3になっていくといったところか。

では本題に入っていこう。

中学校では2012年度(平成24年度)から学習指導要領が改正され、いわゆる「脱ゆとり教育」が施行されるようになった。例えば進学研究会のVもぎを見ていても、2011年度(平成23年度)までの問題は5教科ともに平易で解きやすい問題が多かったのだが、2012年度(平成24年度)になって、極端に問題が難化している。

例えば国語の長文読解の最初の小問で、空欄を埋める選択肢に「いけすかない」「けれんみのない」などといった、かつてはあまり登場することのなかった用語が多く出てきている。「いけすかない」は「嫌いだ」、「けれんみのない」は「ごまかし・はったりのない」という意味なのだが、一事が万事こんな調子で、難化傾向にある。

ここで困ったのが、【2】の生徒だ。

ただでさえ学校の勉強についていくことが出来ず、場合によっては嫌気を起こしてしまっているかもしれない、それでも一念発起して塾に通って過去学年の基礎基本から地道に学習を進めつつある生徒にとって、新課程の問題はあまりに難しすぎる。

脱ゆとり教育は良いとしても、あまりに急激に方向転換し過ぎて、それについていけない完全おちこぼれの生徒がますます量産されているのが、この2012年度以降の傾向だろう。基礎基本をやっと習得したものの、入試問題や模擬試験は一足飛びに難しい問題へと針が振れてしまっているので、今は、やってもやっても追いつかない、分からない、理解できない、という断崖絶壁に立たされているのが【2】の生徒の現実と言えるだろう。

【2】にならないために、とにかく早い段階で手を打つしかない。小学生のうちに計算と漢字くらい十分に出来る力をつけておくに越したことは無い。中学校後半になって、計算が出来ない、漢字がとっさに思い浮かばない、というのはお手上げになってしまう。しかし、この手の子が非常に多いのが事実だ。