塾広告のいい加減さ

もうひとつニュース。


「国公立大出身98%」実は14%=「進学会」に措置命令―消費者庁

「北大学力増進会」「東北大進学会」などの学習塾を展開する「進学会」(札幌市)が、新聞の折り込みチラシで「講師の98%は国公立大出身」などと記載しながら、実際は約14%しかいなかったのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は20日、進学会に対し、再発防止などを求める措置命令を出した。

同庁によると、進学会は2011年5月23日~13年3月11日、「北大学力増進会」「東北大進学会」「名大進学会」の三つの塾名で、夏期講習や春期講習の参加者を募集する計約1324万枚の折り込みチラシを配布。この中で「国公立大出身98%、精鋭講師陣が皆さんを指導」などと写真付きで紹介し、国公立大出身のベテラン講師が多いような印象を与えた。

同庁や公正取引委員会が調べたところ、国公立大・大学院出身の正社員講師は全体の14.6%と判明。「98%」は国公立大在学中のアルバイト講師も含めた数字だったという。全国で七つの系列塾を運営する進学会には、13年3月末時点で高校生を中心に約1万1700人の生徒が在籍。今回の不当表示は、利用者からの苦情などで発覚した。

(時事通信 5月20日(火)19時21分配信)

「TOMASの売り上げ水増し・授業料返金」というニュース出ていたのはつい最近のことだが、何でも明るみに膿みが表出してしまう昨今、塾・予備校関連での不正はこれからどんどん出てくることだろう。教育業界はもはや聖域ではない。

以下は不正の話題ではないが、今週新聞の折込広告を見ていたら、とある大手塾のチラシが目に入った。

「定期テストに自信が持てる!」ということで、中学校名と科目を挙げて、例えば「前回43点→今回76点⇒33点UP!!」と記されている。こういったことが16例記されているのだが、一見見たら「すごい」という印象を持つかもしれない。しかし、冷静に読んでみれば点数なんてものは、平均点によってその価値が全く異なる。

平均点40点のテストで43点を取って、その次に平均点80点のテストで76点を取ったのならば、仮に偏差値が52から48へ推移するようなものなので、逆に成績は下がったことになる。だから、点数は信用ならないから、学年順位や偏差値で成績の高低を判断しましょう、というのが私の考え方だ。

このように、ちまたの塾チラシはトリックにあふれている。これは不正ではない。しかし、こういったトリックにはめられていることを気づかない人々が如何に多いか、ということだ。