何かの広告雑誌の中に、「速聴(株式会社エス・エス・アイ)」という脳力開発の小さなリーフレットが入っていた。読んでみてなるほどと思ったので、一部を抜粋してみる。
—(抜粋ここから)
頭がいい人とは、脳をフル回転させてその脳力を使いこなせている人である。頭の善し悪しは脳細胞の数ではなく、脳のネットワークが活発に動いているかどうかなのだ。ほとんどの人がその事実に気づかずに、記憶力の悪さや集中力の衰えを年齢のせいにしている。
(中略)
毎日、自分自身で意識して、日常生活では受けない積極的な刺激を与えていくことが必要なのだ。
(中略)
脳は刺激を受けるとその刺激に反応して、シナプス(神経細胞同士の結びつき)を増やし、ネットワークをつくり始める。言い換えれば、「自分自身で意識して刺激を与えることで、脳の構造をつくり変えられる」ということだ。
人間の能力は、個人差が大きいもの。もちろん生まれつきという意味ではなく、鍛えている人とそうでない人の差なのである。体を鍛えるためにジョギングをしたり、筋力トレーニングに励むように、脳も負荷をかけることで、活性化させることが可能。
「速聴」の場合、普段は聴く機会のない速い速度の言語情報を、集中して聴くという負荷を与えることで、どんどん脳の活性化を促していくのだ。
—(抜粋ここまで)
例えばラジオの話を書いてみよう。
今はラジオを聴く人が少なくなったようだが、私はラジオを聴く習慣を勧めている。言葉を聴いてイメージする力を鍛えること、話し手の声を聴いてその人物を想像すること、何かをしながら聴く「ながら作業」、話術といったメリットに加えて、自分の視野や考え方を広げてくれる情報に接する、音楽を知るなど、メリットが尽きないと思っている。
かく言う私も幼少期から家の中にラジオが常に流れている生活だったので、私自身も影響を受けて、NHKから民放からFMから、あらゆるラジオというラジオに興味をもって浸って聴いていた。今思えば、そういったことも、脳を刺激する大切な手段の一つになっていたのだろうと思う。
幼少期にレゴで遊ぶことが効果的だという話もよく聞かれるが、五感の刺激「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる」をどんどん浴びることで脳はより活性化されるのだろう。私の場合も、本を読んでいる時と読んでいない時で、自分自身が文章を書くときの頭の回転が異なるように実感しているのだが、年齢に関わらず頭を使うことは重要だということである。