最後に笑うのは誰か

自習に来ている生徒を見ていると、今後社会に出てうまくいく生徒、困難が予想される生徒、それぞれが見えてくる。

結論から言うと、最後に笑う生徒は「コツコツと目の前の作業に没頭できる生徒」だということだ。今日はひとつこれをやるのだ、と心の中で決めたらそれと向き合って淡々と作業を進めていく。

今週前半、いち早く冬の自習課題を仕上げた生徒がいて、その生徒を見ているとまさにそんな一点集中が出来ている感じだ。(その生徒はほぼ年中無休のペースで自習に来ている)

比較して、これは痛いと思わせる生徒のパターンも書いておこう。
せっかく塾の課題が出ているのにそれをせずに学校の簡単なドリルを持ってきて、それを練習するフリをしている(私に言わせればフリだ)。で、やっているのかなと思いきや数十分も経たないうちに今度は別の教材を開いている。しばらくすると市販問題集の裏面に出ている広告をジッと眺めている…こんな有り様。

このような移り気で安定感のない作業をしているようでは到底何事を成すことも出来ず、大人でいうところのロクな仕事も出来やしない、ということになるのだ。

神尾塾では、言葉は悪いかもしれないがある部分では生徒を「泳がせて」、自立心・自律心・自主判断を養うことを大切にしている。だから、過度な強制はしないし、過度な強制をしたところで卒塾して強制のたがが外されたときに依頼心たっぷりの甘えん坊に戻ってしまっては意味がない。

適度に泳がせる中で自分の頭で考える癖をつけるよう徐々に誘導していこうとしているのだが、それでも先ほどの後者のような生徒の行動にはそれ以上塾として足を踏み入れることは出来ず、ただただ残念と思いながら見守るしかないのである。

最後に笑うのはコツコツと、地道な一歩を重ねられる生徒。こういう生徒を私は応援したい。