成績を伸ばさない秘訣

中3生は模試や公立高校の過去問へと取り組みを進めているのだが、宿題の最初のステップとしてまずは自力で考え、自分の手で参考書等を調べるということを大切にしている。これには個人差がよく表れてくるもので、よくぞここまで調べた(考えた)という生徒もいれば、通り一遍(いっぺん)のことしかせず、ほとんど自力で考えない、調べない生徒も出てくる。

そして、成績の伸びない生徒というのは100%後者である。

今年の中3にもいるのだが、過去問の宿題を出しても文字が乱雑であったり、くだらない計算間違いをしたり、国語の記述問題をごっそり空欄にしていたり、英語ならば和訳すればすぐに分かるものを適当に読み流して答案に全部×がつくなどのパターン。じっくり考えたり、調べようとする「根気がない」のだ。

何回指摘をしても一向に改善されない。そこまで鈍感であるならばこちらとしてはお手上げだ。しかし、やる気がないのかと思いきや、その次の授業で前回の過去問の確認テストをすると99%正解していたりする。

なぜか?と思って原因を考えていたのだが、どうやらそういう生徒は解答を丸覚えしているだけだということが分かってきた。過去問の解答を丸暗記して確認テストで正解していればそれでいいと本気で思っているのだ。これでは成績が伸びるわけがない。

今年は授業が終わったら即帰宅したり、自習時間も短かったり、休塾日の自習休みを挟んだら宿題が全然出来ていなかったり、意志の弱い子が多かったように思う。中2生でほぼ年中無休のような形で自習に来ている生徒がいるというのに、対照的な有様だ。

成績が伸びなければ進学出来る高校も限られ、結果として自分の首をしめることになる。大人が精一杯に働きかけようとしても反応が鈍いのではどうしようもない。中3とはいえ自分の人生に対して無責任な(他人事な)生徒が多い。