9月Sもぎのツボ

【数学】
◎大問1(1)~(6)
神尾塾の塾生で計算ミスはあり得ない。すべて基本計算。

◎大問2(1)
さりげない問題だけれども、「2乗」「2倍」「逆数」「絶対値」という中学数学のベーシックな用語を正確に把握していないと解けない単純計算。分からなかった用語は模試から帰宅して調べたかな?そういう細かい仕事の積み重ねが人生の成否を分ける。正答率49%。

◎大問2(2)
最頻値(モード)を問うシンプルな問題。「階級値」って何?(1)と同様に基本用語を正確に知っているだけで秒殺で答えが出せる。正答率31%は低すぎだと思うが、上位3分の1のボーダーが進研偏差値53なので、(1)の行動できる・できない人間の線引きも大体そこだろうと思う。

◎大問2(3)
「平均」を利用する小学生の問題。解けなかったら高校受験を諦めて鎌小・五小に戻れ。正答率78%。

◎大問2(4)
確率の問題。「b/aの値が整数となる」という、確率を求める以前に分数が出てくるので、そこで面食らってしまう生徒もいただろう。面食らってしまった生徒とは、単純に学校の教科書・問題集で確率の問題を適当にこなしていた者である。この問題をクリアした生徒は、確率の基本問題を習熟している生徒である。正答率55%。

◎大問2(5)
円の中心を作図する。教科書・ワークに出てくる定番の問題!正答率31%は低すぎる。

◎大問3(1)
この手の関数問題は、塾に通っている生徒の得意技だろう。学校の勉強だけでは基本的に反復ができないので、既習単元がどんどんフェイドアウトして記憶から消えてしまう。塾は、先に進みながら過去も反復するので、神尾塾も「計算」「角度」「関数」は三大基本として随時反復を心掛けている。反比例と1次関数の交点の問題なのに、正答率45%とは一体何をしているのだ!と怒りを感じる。

◎大問3(2)1
点対称移動。これも小学校の知識で答えが出せるが、高校数学で関数の対称移動を練習していると、当問題はすこぶる易しく感じる。やはり、中程度の問題では頭の良さよりも経験値が正答を引き出すのだろう。正答率38%。

◎大問3(2)2
正方形の面積を2等分する直線は、必ず正方形の対角線の交点を通る。という、模試の過去問を練習していると頻繁に出てくるこの手の問題。この問題そのものは途中式3行で答えが出るのに正答率が5%というのは、やはり受験生の経験値の問題だろう。神尾塾でも進度が先に進んでいる中3生は模試の過去問にどんどん着手しているが、その必要性を改めて痛感する。

◎大問4(1)
三角形の合同の証明。中2数学後半の山場は「図形の証明問題」。これも基本のパターン文を徹底的に繰り返して練習するだけで、あとは問題に応じてカスタマイズするだけ。ポイントは、この基本パターンの習得時間をどのように確保するか。この点は生徒の学力も踏まえて塾としての対応は全く異なってくる。負荷を軽減させるべき生徒には合同条件3本の暗記だけをして、次の単元に進ませることもある。正答率a84%,b91%,c59%。

◎大問4(2)
証明された三角形の合同を活かして各辺の長さを求め、それを元に三角形を回転させて円錐をつくる。その体積を求める問題。数学はつくづく幅広い知識を頭の中に収めることと、それを適切な場面で引き出すということの連続だと思う。錐の体積の公式ひとつ抜けていてもこの問題は解けないし、それが数学の苦手な子にとって数学を難しく感じさせてしまう所以なのだろう。反対に、数学の得意な子にとっては、この点のパズル処理感がスリリングで数学を楽しく感じるのだと思う。正答率15%。

◎大問5(1)
かつて都立高校の入試問題で定番だった問題が、当たり前のように千葉県高校入試にも流入して久しい。よく読めば話の流れは単純なのだが、ストーリーを把握する読解力がなければこの問題は解けない。つまり、この問題は国語であり、知能テストでもある。当然テストであるので時間制限もあり、エンドレスでないのだから、限られた時間でどこまで正確に問題文を理解し、次の一手を打てるか、という瞬発力が大いに問われる問題でもある。ア66%,イ89%。

◎大問5(2)
魔法Aは「2倍」と魔法Bは「+3」。この大問5の骨子はこれだけである。それさえ理解すれば(2)も楽勝だが、あとは制限時間の問題。正答率64%。

◎大問5(3)
このメダル枚数の最大値と最小値を求める問題は、計算力だけでなく、読解力だけでなく、どのように「2倍」「+3」の流儀を組み合わせるか、という想像力の問題でもある。創造力とも言えよう。今回の9月Sもぎの作問が上手だな!と感嘆するのは、上記の4つの力をこの最後の問題に凝縮して込めているからである。Maxの正答率33%、Minの正答率41%。

◎まとめ
当たり前の話だが、学校の授業、ワーク、塾で使用する教材。こういったことに一つひとつ丁寧に向き合うこと。あとは、苦手な類題は手元の新中問などの問題集で自分で練習すること。そこにしか未来はない。あと、この9月Sもぎの数学においては、飛ばしていいよ、という問題は一問も無い、ということを言っておこう。どれもが取り組むべき価値のある問題だ。

【理科】
◎大問1(3)
地震計の問題。これ、数年前に県立入試でそのまま出題されていた。正答率は17%だが、「汝の敵を知れ」で、今後県立過去問に本気で着手する者にとってこの問題は正答率100%に化けていく。

◎大問2(2)
雲仙普賢岳のマグマの粘り気の問題。熊本港から有明海を熊本フェリーで30分渡ると雲仙普賢岳のふもと、長崎県島原市に着く。その30分間、目に入るのは急斜面で厳しい勾配の普賢岳そのものである。そんな情景だけでこの問題が解ける(激しい噴火、マグマの粘り気の強さ)ということは、この景色を知っている者だけの特権だが、つまり勉強して知識を蓄えることの重要性の一方で、幼少期からの外での経験・体験・観察といった記憶が、意外とこういった入試問題・模試問題の解答に結びつくことがある。なので山手線一周の旅とかでも良いので、幼少期から親子でどんどん出かける、外のものを見る、という行動は学力を支える柱のうちの一本にはなるだろうということだ。

◎大問3(1)
誘導コイルって何?真空ポンプって何?ストロボスコープって何?オシロスコープって何?
細かく調べ尽くすのが大事、という話は先週も先々週もO・Iさんの感想文を引用して書いた。

◎大問9(4)
ばねPの長さが14.1cmになったときのばねはかりの示す値。表を自分で拡張して、表に潜んでいる比例・反比例のパターンを見抜くこと。そのためには問題をジッと見て手も動かさずウーンとうなって答えが出ると勘違いしているイタコ型の思考では駄目で、自分でノートに大きく表を書いて、どこが2倍で、3倍で…と地道に分析する仕事が求められる。かくして理科の表を用いる問題は、学生の勉強というよりも社会人の仕事の処理そのものに直結している。成長したい人間はこういう問題をおろそかにすべきでない。とにかく自分のノートに表を大きく書き、そこに潜んでいる倍数関係を見出すことだ。

【社会】
◎大問1(1)~(3)
太平洋ベルトの位置、世界の三大洋の位置、中京・阪神・京浜工業地帯の位置。中学受験をする小学生が見たらバカにしてプッと噴き出すくらいの常識問題。こういう一般常識が答えられない者は、勉強というよりもとにかく社会・世の中といった他者に対する好奇心や関心に欠けているという実は根本的な問題を抱えている。

◎大問1(4)
資料問題。瞬時にグラフを読み取って、ア~エの選択肢に相応しい文章を選ばないといけない。スピードと正確さが求められる問題だが、昨今頻出の問題なので、日ごろの類題練習次第である。

◎大問2(5)1
必ず出題される地図の縮尺の問題。これも入試問題・模試ともに毎度同じパターンの出題だが、生徒本人は「この問題を解けるようになりたい」と願い、自分でじっくり図と式を書きながら類題を数多く練習しないと解けるようにならない。むしろ、一度解けるようになれば大きな得点源である。社会科にはそういう問題がいくつか存在する。正答率19%。

◎大問2(5)2
地図を見ながら文章の正誤を判断する問題。この手は女子よりも男子のほうが得意だろう。視野の広さは太古の昔から男性の得意とするところ、視点の深さは女性の得意とするところ。

◎大問3(2)
時差の計算。これも上記の縮尺の問題と同じで、その気になって類題を練習すれば間違いなく得点源になる問題。ポイントは「1時間あたりの経度が15度」「西に進むと時間が戻る(東に進むと時間も進む)」「日付変更線を越えると±1日」、これを押さえておくだけ。正答率24%。

◎大問5(1)
「民本主義=吉野作造」のようにベーシックな問題集を練習して、基本用語を身につけておく。と、いう基本知識を土台にした9月のSもぎ社会であった。

【英語】
◎大問7(2)1
Goroの家族について、「数字を表す英単語」と設問に書いてある。この部分を意外と読み落として「his」などと答えた者は意外といるのではないか。

◎大問8(1)
これ正答率31%となっているが、本当だろうか???本文を読むと「おばあさんが近所の人に雪かきを2時間たのむ」=「おばあさんは近所の子供に毎日1時間ずつ、月曜から土曜まで計6時間本を読み聞かせする」=「子供はeach day(=前の行のfrom Monday to Saturday)の計6日間、おばあさんの飼っている2匹の犬を1時間ずつ散歩させる」となっている。(滋賀県草津市の地域通貨「おうみ」の話)

整理すると「2時間の雪かき」=「6時間の読み聞かせ」=「2匹で6時間の犬の散歩」=「1匹で12時間の犬の散歩」の等価値となる。この整理と価値変換が難しい!と感じるのは私だけだろうか??ということで選択肢ア~エを見ると、単位時間あたりの比較において、イが「6時間の読み聞かせの3倍の価値が2時間の雪かき」「1匹12時間の犬の散歩の6倍の価値が2時間の雪かき」となり、「Reading books=10」「Removing snow=30」「Walking one dog=5」と合致するので正答となる。むむむ・・・。

◎大問8(2)
正答率36%。答えが全員分からなくても、4択問題ならば勘で答えて正答率25%になるので、その勘で答えた類の生徒が多そうだ。

◎大問8(3)
正答率2.7%。文脈から自分で考えて「only」を入れる。こうしてみると、大問8は極端にわかりづらい問題が入っており、数学の解きやすさに比べて作問のバランスが悪く、その不安定さにおいて「SもぎはVもぎに敵わない」と私が個人的にどうしても思ってしまう所以である。

【国語】
◎大問7
「教養のある檀家(寺の信者)がいて、よく寺に立ちよって和尚から仏教について学んでいたのだが、和尚の弟子である一休の賢さをその檀家は気に入っていて、時々その檀家と一休がふざけたお喋り問答をしていた。

ある日、その檀家が皮の袴(はかま)をはいて寺に来ようとしているのを一休が寺の門の外でチラッと見て、あわてて一休は木の板に『この寺の中では皮類の使用は禁止。もし皮類のものが寺の中に入ったら、必ず罰(バチ)が当たるぞ』と書いて立てかけておいた。

檀家はその板を見て、『皮類を寺に持ち込んで罰が当たるのなら、この寺の太鼓の皮はどうするつもりか(※太鼓のたたく部分は動物の皮で出来ている)』と言った。一休はそれを聞いて『だから、昼夜に3回ずつ太鼓に罰(バチ)が当たるじゃないですか(※寺では毎日鐘や太鼓をたたくため)。何なら檀家さんにも太鼓のバチを当てますよ、皮の袴はいているのだから』とおどけて見せた」

以上が大体の訳。『一休ばなし』より。

原文「こびたる旦那ありて、常に来たりて和尚に参学などし侍りては、一休の発明なるを心地よく思ひて、折々はたはぶれを言ひて問答などしける。ある時、かの旦那、皮ばかまを着て来たりけるを、一休、門外にてちらと見、内へ走り入りて、へぎに書き付け、立てられけるは、『この寺の内へ皮の類、固く禁制なり。もし皮のもの入る時は、その身に必ず罰当たるべし』と書きて置かれけり。かの旦那、これを見て、『皮の類に罰当たるならば、この寺の太鼓は何とし給ふぞ』と申しけり。一休聞き給ひ、『さればとよ、夜昼三度づつ罰当たるあひだ。その方へも太鼓のばちを当て申さん。皮のはかま着られけるほどに』とおどけられけり」

古文の勉強のコツは、一つひとつの文章の主語を明らかにしながら読んでいくことだろう。誰が、の部分なしに延々話が展開していくのが古文なので、この発言は誰から、この行動は誰が、と主語を考えながらであれば、少しは読みやすくなると思う。

あと、古文の苦手な者があまり文法的な点にとらわれてしまうと、古文そのものがつまらなくなってしまうので、話の流れ、ストーリーを追いかけることを大切に、細かい部分は間違っていてもよいから楽しみながら自分なりの現代語訳をノートにまとめてみるとよい。

この記事を書いた人

kamiojuku