困難が人を育てる

中学生、高校生を見ながら、もっと自分で自分のことを考えて自主的に足を踏み出して行けばいいのに、と思うことがよくあるが、私も中学・高校時代は周囲の大人たちの力添えに任せて、半分流されるようにして過ごしていたのかもしれない。

その後、自分なりに大変だなと思われる出来事にその都度直面し、「人生について」のようなことを何かと考えるようになって、それが今の自分の礎となっている気がする。

結局のところ、人は困難にぶつからないと成長が得られない。困難なくストレートな道でもそれなりに成長して向上していくことが出来るのならば理想なのだけれども、現実にはなかなかそう上手くはいかない。困難に苦悶し、心の奥底から悩んで考え、打開しようともがいたり試行錯誤を続ける中でしか成長が得られないのが実際のところだろう。

困難の最中は辛いものだし、また、苦労によって老け込んでしまったり精神的に病んでしまったりするのは良くないが、生徒たちにとって今後訪れるであろう困難によって意識が磨かれ、人間として一回りも二周りも成長していくこと。彼らにとって「困難は成長の母」となることを願ってやまない。