関東第一高校(江戸川区)

JR新小岩駅南口を出て、正面のアーケード街をしばらく歩く。魚屋、和菓子屋など、ちょっと朝夕に寄って買いたくなるような下町の商店街を途中で右方向に抜けて、歩道のない道を10分程度歩く。全体で15分程度。

本校は大正14年創立(今年で89年)、普通科共学(進学コース、スポーツコース)の高校単独校である。かつて機械科・電気科・建築科も存在したが、順次廃止となり、本年度3年生が最後の機械科在籍生となる。実業科の廃止は、卒業しても就職に繋がらないことが第一の理由である。出口が見えないのに生徒を受け入れる訳にはいかない、という悩みが学校にはあった。

校舎は新しい本館、年季の入った東館、円形の西館、体育館、機械科実習棟の南館がそれぞれ隣接してブリッジで繋がれている。西館は完全な円形であり、中心の廊下?から放射状に教室が配置されている。実に目が回る。改築したら同じ造りにはしないだろう。工業科廃止に伴って、南館がどうなるか、また東館・西館の老朽化も今後の注目点となるだろう。これは憶測だが、改築(キャンパス再編)は遠からず充分にありそうだ。

生徒数は高校1~3年で1668名。うち1年生は562名で各学年15クラスに分かれている。いわゆるマンモス校と言っていい。クラスの内訳は1-2組が「特別進学コース(国公立・難関私大)」、3-6組が「進学Aコース(GMARCH)」、7-13組が「進学Gコース(中堅私大)」、14-15組が「スポーツコース(硬式野球・バドミントン・サッカー・バレーボール(全て男子)」となっている。

このように学力格差のはっきりしている学校は、見学していて面白い。「特進コース」はさすがに全員集中してきちんと授業を受けているが、「進学G」になると見学者の様子が気になってよそ見ばかりしている生徒、寝ている生徒、私語をしている生徒が複数目につく。私はこれを「サル山」と呼んでいる。教室が広くない分、「進学G」あたりになると学校と言うよりも「人間工場」のような印象を持ってしまう。「スポーツコース」は字の如く(良い意味で)汗臭い雰囲気だ。

「学力の差」は「人間の気質の差」でもあるのか、とつくづく考えさせられる。本校に進むのなら「特進」へ行きたいものだ。本校の特進(1クラス26名)は部活動参加者が多い。「スポーツコース」に関連するが、硬式野球部は甲子園9回出場、サッカー部は120名在籍していて冬の国立を目指す。バドミントン・バレーはインターハイ・国体出場レベル。この4部活は関東一高の目玉となっている。ちなみに硬式野球部のグランド・寮は塾の近隣、白井市冨士にある。

入学者の居住地は江戸川区49%を中心に城東地区(東京東部)で76%になる。これは地元に愛されていると言う考え方もあるが、「近いから行くか」ということでもある。普通科に純化し、学力サポートの仕組みは整いつつある中で、特筆すべき学校の魅力を今後打ち出せるのか。この点は静観しつつ注目していきたい。