独学について

私が高校の頃、予備校に通うのが抵抗があって、通信教材でいいから、または自分で問題集を買うから…としばらく逃げていたのだが、その後結局「エイッ!」と勇気を出して水道橋の研数学館の受付に並ぶことになった。

やはり独学をするのは大変な根気と労力が必要で、建築家の安藤忠雄氏は独学で大成したことで知られているが、これは誰もが容易に真似できることではない。

中学生や高校生が塾に通わず問題集を自分で購入し、どこから手をつけていいのか、1ページ目から完璧に学習していかねばならないのか、その判断がつかずに挫折することは多い。それでも乗り越えて頑張って進める人がいることも事実なのだが、何らかの師匠を持ち、それなりの誘導を受けることは悪いことではない。

しかし時には自分ひとりで学ばねばならない時がある。そのコツを書いてみる。
まず、テキストの1ページ目から地道に習得する必要はない、ということだ。そうではなく、テキストの全貌を見渡し、要所と思われること、自分の心に引っかかった部分のみ断片的につまみ喰いしていく。その上で全貌の感覚を自分の中で慣らし運転していきながら、その後に細かいところを習得していくようにする。

塾の授業でもそうなのだが、例えば数学の三平方の定理の場合でも、最初から細かい理屈に着手してしまうと先が見えなくなりつまらなくなる。そうではなく、まず基本的な定理、および比などの基本事項を習得し練習問題を解いていくうちに、だんだんと慣らせていって、その後取りこぼした細かい話題を詰めていく。

独学の時も、こういう流れを意識していけば、少しは取り組みやすくなるのではないかと考える。