モチベーションをどのように確保するか

親や周囲の大人がどれだけ至れり尽くせりで準備を整えても、最終的に原動力となって本人を動かしていくのは、本人自身の中にあるモチベーション(動機付け)というものである。

では、どのようにすればそのモチベーションを確保し、高めていくことが出来るのか。生まれつき前向きな気質を持ち、前へ前へと自ら進んで行こうとする人がいるのも事実だ。しかし、そういう人ばかりではない。残念だが、壁にぶつかるしかないのだ。壁にぶつかり、順調に進まなくなり、嫌な思い、つらい思いをするしかないのだ。

そこで悩み、考え続け、自分は何のために生きているのか、何をすればいいのか、何が自分に向いているのか、何が自分は出来ないのか、自問自答し続けることが出来る人はきっと強くなれる。その考え続ける思考の中で、今まで気づかなかったものに気づき、関心のなかったものへ好奇心の枝を広げ、人の痛みが手に取るように分かるようになったりする。

いつしか無意識のうちに「意識」を持ち、考える人となっている。これがモチベーションということだ。困難は訪れて欲しくないものである。しかし、困難こそが人を育ててくれるのであるとしたら、困難とは実はありがたいものなのかもしれない。そう考えると、この世に無駄なものは何一つないのかもしれない。渦中では分からないが、後から振り返ってそう思える時がくる。