孤独な戦い

世の中で大切なことの一つとして、「主体性を持って生きる」ということが挙げられると思う。他人任せではなく、全ては自分のための出来事なのだという意識を持つことである。例えば、政治家の悪口をいう人は多いが、そういう政治家を選んだのは投票した一人ひとりの自分たちの責任である。だから、仮に政治が悪いというのであれば、それは国民、ひいては一人ひとりの個人が悪い、ということに尽きる。

神尾塾で大切と考えているのは、「孤独な戦い」ということだ。自分自身が進めないと、授業も前に進まないということを大切にしている。学校や他塾では、自分が分からなければ隣の子が、同じクラスの子が答えてくれるかもしれない。しかし、神尾塾では自分が自分で調べないと、自分で理解して一歩を踏み出さないと前に進むことが出来ない。

つまり一つひとつの出来事に対して「わが事」として取り組んでもらいたいのであって、今は理解できなくても、その生徒が少なくとも10年後、大体は20年後くらいになって「あの経験が大切だったのだ」としみじみ思い返してくれるようになってくれれば良いと思うのである。神尾塾での取り組みは、恐らく25歳を過ぎたあたりからじわじわと肉汁が染み出るように、生徒の心身に充満していくことを私は念頭に置き、そうなるよう期待している。

私は雑談が面白いとか、友達と一緒に勉強をするのが楽しいとか、そういう2次的なことは邪道だと思っている。自分の頭で考え、調べ、鉛筆を動かす。この本質的な取り組みを大切にし、それを『円滑に』進めるよう精一杯サポートするのが私の務めであると認識している