時はカネなり

大分県の別府温泉に17階建ての大きな「亀の井ホテル」がある。昨年、十数年ぶりに訪れたのだが、客室に社長の評伝本のサンプルが置いてあり、面白そうだったのでフロントで購入。昨日、西新井の教室に行く往復の電車で読んでみた。

鎌ヶ谷市と白井市の市境、西白井の風間街道にジョイフルというファミリーレストランがあるが、生徒諸氏やご家族も「あそこは安いよねー」の感覚で行ったことがあると思う。そのジョイフルを作ったのが、この亀の井ホテルの現社長穴見保雄氏である。

穴見氏は1976年に大分でジョイフルを創業し、低価格を売りに700店舗の全国展開を手掛けた。1994年に別府の老舗亀の井ホテルを傘下におさめ、氏のらつ腕で現在、亀の井ホテルの全国展開を進めているところだ。間もなく関東地区でも「亀の井ホテル」の看板が増えていく模様。

別府といえば地獄めぐりが有名だが、当地では亀の井バスや亀の井タクシーなど、亀の井グループをやたらと目にする。別府といえば亀の井といっても過言ではない。

さて、本書から少し引用してみよう。

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(引用ここから)
最近、よく期限の利益について話す。「時はカネなり」と言うが、この「時」、つまり時間は万人に与えられた公平な利益である。

今を楽しむか、楽しみを先に残しながら、若い時の苦労を今、買ってでもする気持ちでがんばるかは本人次第である。みんな同じように齢を重ねていき、最初はわずかな格差であっても、だんだんと開きが大きくなる。

それは社長の人生もあれば、全く不遇の人生もある。人は一度の人生を送る。だから努力の方向を大切にモノを選び、付き合う人を選び、出会いによって人生模様は変わる。

一年は8760時間、寝る時間は1日8時間で年間2920時間、仕事その他の時間は年間2920時間で自分の時間は年間2920時間ある。この時間は誰にも平等に与えられている。

だから自分の心にどのような生涯設計をイメージするかによって、行動はどのようにも変わる。成功する人、失敗する人、たくさん儲けて笑いの止まらない人もいれば、明日の生活をどうしようかと悩んでいる人も、人それぞれである。

自分が豊かで幸せになることも必要だが、より多くの人に幸せをもたらされる人が一番幸せな人であると思う。今は苦しくとも、その苦しみを乗り越える人にしか成功はおぼつかない。まあ、なんとか今が良ければと思う毎日を送っている人は、いつまでも苦しみが続くのではないだろうか。

ただ、一挙にゴールを手に入れようと思っても、無理である。やはりしっかりした人生設計図を描き、それに向かって着実に歩を進める以外に方法はない。

(引用終わり=「夢 軌跡と野望~百年とこれから 穴見保雄評伝」)
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今、目の前にあるこの「時間」をどのように使うか。それこそがその人の価値を定めていくのだろう。私自身、年々時間が経つのが早くなるように感じている。まるでジェットコースターに乗っている気分だ。

ということは、先のビジョンを掲げずに、目の前の業務処理にただ追われているだけでも同じ時間。先々のビジョンを持ち、その目標を踏まえて今の目先の行動を重ねていく、これも同じ時間の使い方である。やはり「時間は使うもの」であって「時間に使われるものではない」だろう。

授業の傍ら自習に来ている生徒を眺めながら、生徒がゆっくり問題を解きながら、おもむろにペットボトルを取り出して、ゆっくり遠くを眺めながらドリンクを味わっている様子を見ていると、「ここはスタバかっ」とツッコミを入れたくなることが時々ある。

そういう生徒にこの「時はカネなり(人生は有限だ)」なる価値観を注入すれば、各々が焦り始め、もっと作業速度は上がるだろうし、何よりも限られた時間でどう上手に仕事を処理するかと「効率性」を自分で勝手に考えて行動し始めることだろう。こういうカンフル剤のような注射器があったら何人かの生徒に打ち込んでみたいものだ。
(当然、がむしゃらに自習で頑張っている生徒がいることは言うまでもない)

そして、それは生徒に対してだけでなく、私自身も時間を一層大切に使い、長期、中期のビジョンを常に明確にして時間を使いこなしていかねばならないということだ。

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kamiojuku