子は親の背中を見て育つ

子供は親の「一挙手一投足」をそのまま見ているし、子供にとっては親の行動が当たり前のことだと思っているから、親の行動がそのまま子供に伝染する。
これを「薫陶(くんとう)」という。言葉で説明する以前に、空気で伝わる感性のこと。

私の持論だが「荒れた生徒が集まり、授業が荒れている塾は、塾の職員が荒れているからだ」と思っている。
いわゆる「波長の法則」、「類は友を呼ぶ」の法則である。

経営者の心構えが低かったり、スタッフのモチベーションが壊れている塾は、大よそ生徒や授業も乱れている。反して、受け入れ側がしっかりしている塾、塾長が崇高な理念を持っている、授業前に講師が掃除をきちんとしている、講師の勤怠がきちんとしている塾では、吸い寄せられるように良識ある生徒が集まり、よい空気が循環していくのである。これは学校、会社、あらゆる組織でも同じことだろう。

さて、とあるご家庭のことを書いてみたい。
もうずいぶん4年以上のお付き合いになるが、この春訳あって他塾から神尾塾へ編入していただくことになった。そして、月謝を神尾塾宛てに納めていただくようになったのだが、私が感銘を受けてしまっているのは、毎月必ず新札で向きもピッタリそろえて納めてくださるということだ。
(※これは、他のご家庭にプレッシャーを与えるつもりで書いているのではないので、誤解なきようにお願いしたい)

私が確信したのは、
この「誠意」こそが「徳」となり、その徳が親から子に「薫陶」として伝わっていく、ということだ。周囲からは親も子も敬意を持たれ、みんなから好かれる。こういうご家庭に今後ますますの幸福が訪れないわけがない。

親が日々積むちょっとした、または多大な、気遣い、配慮、他人を思いやる気持ち、これは全て「徳」という心の貯金になって、宇宙に蓄積される。そして、それは全て子孫である子供たちにそのまま還元されていく。

親の行動は「徳」の貯金と同時に、子供は模倣するので、周囲からは「あの子、若いのにしっかりしているね」と一目をおかれ、社会にでれば「こちらへ来て」と引っ張りだこになる。これが「人間力」というものだ。

上記はあくまで一例であり、神尾塾生のご家庭の皆さまそれぞれが、それなりの誠意を塾宛てに尽くしてくださっていることは、私は全て認識しているし、心より感謝を申し上げたい。他にも例を取り上げてみたいご家庭があるので、次回以降、こういう例もあるよ、と記してみたい。

神尾塾は勉強面のみならず、良いことは良い、良くないことは良くないよ、としっかり言葉にして皆さんにお伝えしていきたい。それでこそ神尾塾だと思っている。
勉強面も人間性も高め、みんなから好かれ、一人ひとりが国を背負って立つ人材に育って欲しいと、心より願っている。