同志社香里中学校・高校(寝屋川市)

【歴史】
日本陸軍に「大阪鎮台(ちんだい)」なる部隊があり、明治21年(1888)に大日本帝国陸軍の第4師団に改組された。その将校たちの親睦組織として立ち上げられたのが「大阪偕行社(かいこうしゃ)」。偕行社は公益財団法人として、自衛隊の元幹部が所属する組織として現在に続いている。

大阪偕行社が開設した附属の小学校が現在の追手門学院小学校。そして、大阪偕行社附属の中学校が戦後の学制改革で香里学園となり、昭和26年(1951)に学校法人同志社が香里学園を吸収したことにより現在の同志社香里中学校・高等学校に至っている。

【アクセス】
京阪電車香里園駅から徒歩18分。路線バスの場合、京阪寝屋川市駅と京阪香里園駅を結ぶ京阪バス22系統で同志社香里バス停にて降りることになる。キャンパスの敷地面積は約8万平方メートルで甲子園球場の約6倍もある。

【特徴】
同志社中学校・高校、同志社女子中学校・高校はそれぞれ京都市にあり、「大阪で学ぶ同志社の”志”」ということで大阪唯一の同志社が本校。本校から同志社大学・同志社女子大学への推薦入学率は例年95%で2021年は特に98%。系列校で最も高い内部進学率になっている。

同志社はキリスト教主義・自由主義・国際主義を掲げており、本校でも礼拝・聖書の授業がある。また、基本的に私服(希望者は制服のような標準服も選択可能)。学校行事やクラブ活動は生徒主体としており、企画・立案・運営まで生徒の手でなされる。

担任・顧問の教員専任率は100%として常勤講師は設けておらず、教職員の長期雇用に努めている。

教員はマルチタレントと位置づけられ、例えば古文「平家物語」で国語の教員が琵琶を演奏する、といった豊かな授業が普段から展開されているのは本校の特色である。

【繋真館】
図書館とICT教育を融合させたメディアセンター「繋真館(けいしんかん)」が2021年春、旧中庭に完成。中庭にあった数本の大木に沿わせる形でガラス張りの建築。読書空間、自習スペース、プレゼンテーションのためのラーニングコモンズといった最新の教育環境は本校の魅力を一層引き上げることになった。

【中学入試】
本校では前期・後期セットでの出願を推奨している。前期が不合格でも、後期で復活合格する事例も増えており、やみくもに他校を併願するのではなく、本校における受験機会を増やしてもらいたい、とのこと。

入試問題は基礎的事項の理解を問われる。そのため、取れるべき問題での失点は痛手。

◎算数
解き方が分かっていても、計算ミスを起こせば0点となってしまう。基礎的な問題を速く、そして失点しないこと。典型的な問題を確実に解けるようにしておく必要がある。自分が解けそうな問題を先に選んで解く融通性も求められる。

◎国語
小学生が日頃使わないような漢字を出題しており、普段から読書をしたり、新聞を読んでいるかどうかが成否を分ける。例として「新人を登用する」「居を構える」。確かに小学生が日常使う言葉ではない。読解は限られた時間で多くの文章を読み、的確に答える力を求められる。

◎社会
配点を地理30点・歴史30点・公民20点としており、歴史の内訳は江戸時代までが15点、明治以降が15点。分野に関係なく時事問題が融合されており、日常生活でニュースに関心を持つこと、語句を覚えるだけでなく意味や仕組みまで理解しなければ入試で歯が立たない。教科書も一枚一枚の写真まで細かく理解しておく必要あり。

また、社会では漢字で書ける解答はすべて漢字で書かなければならず、平仮名で書いた場合は減点される。一般に模試の社会では漢字が分からなければ平仮名で書けば得点になるが、そういった甘さは本校入試では許されない。

◎理科
数値を答える問題は必ず小数で答える。0.5=1/2だからと分数で答えたら不正解になる。本校では「本物に触れる」ことを重視して、中学1年では年間25回の実験が予定されている。従って入試でも実験・観察に基づく問題が多く出題される。

【高校入試】
6クラス分が中学校からの内部進学、1クラス分が高校からの募集となり、高校では両者が混合して43名×7クラスに編成される。男女比は50:50。高入生は入学前の春休みに補講を受けることで、内進生が先取りしているカリキュラムに追いつかせる。

高校入試は提出書類140点、作文60分10点(過去テーマは非公表)、グループ面接(面接は点数化しない)の総合評価方式で、学科試験は行わない。学科試験が無いということは、中3の内申点、部活動などの特別活動、生徒会役員、英検などの検定(準2級以上を推奨、数検のみ3級)といった実績が問われるということ。

【まとめ】
中谷しのぶ(読売テレビ)、石井亮次(ゴゴスマ)、薄田ジュリア(報道ランナー)といった現在活躍中の有名アナウンサーも本校の卒業生である。薄田ジュリアさんといえば辛坊治郎さんのFM神戸のラジオ番組のアシスタントを務めているので私としては耳馴染みがある感じ。先ほどの新しいメディアセンター「繋真館」のプロモーション映像に出演されているのも彼女である。

関関同立のなかでも頭ひとつ抜けた名門・同志社があり、その同志社に大阪で通える同志社香里。本校では優秀な生徒が集まり、輩出されていく好循環がクルクル機能し続けているように思う。

説明会ではそれぞれの教科担当の先生方のお話が内容濃く、聞きごたえがあった。藤井教頭の新島襄(同志社創立者)の語録にちなんだ話題にも感銘を受けた。

気になったこととしては、
瀧校長のお話が瀧校長ご自身の言葉ではなく「誰彼がこんないい話をしていた」といった内容ばかりで、他の先生方の講演に比べて特にピンと来なかった点。

また、説明会の最中、講演者が交代する度にマイクと演台に向かって消毒スプレーの噴霧と除菌シートでの拭き取り。その頻度と動きが甚だしかったので、ちょっとやり過ぎでは?と思ってしまった。この説明会は「個人情報提供承諾書」の提出が参加条件になっていて、新型コロナの感染者がこの説明会で発生した際に保健所の疫学調査に協力することを承諾する旨の書面であった。他に本校では生徒の机ごとにフェイスシールドならぬスクールシールドを装着させており、一つひとつは良いのだが、また、しないよりはするに越したことはないのだろうが、これらが重なった時に中庸を超えて「リスクヘッジし過ぎでは??」という感想を私は持ってしまった。(無論、対面型の説明会を開催していただけたことには感謝である)

とすると、お土産に「いろはす」の500mlペットボトル、辞書みたいな大きさのクレベリン50枚入り除菌シートのパック、というのも、そこまで除菌にこだわるのか?という点と、量がかさばって帰りの荷物が重くなるという、提供していただいたお土産に文句を言ってはいけないが、お土産は各校のセンスがどうしても出てしまうだけに、「同志社香里で・・・えっ?」という印象が否めなくなる。

そんなことを考えていると会場誘導のオペレーションも、ホール1階に案内の貼り紙1枚だけというのは分かりづらかったなあ、とかツラツラ出てくるのだが、他校では感じることのない「えっ?」という部分が少なからずあったのは私の主観だけかもしれないが。勿論、この日の以前に入試広報ご担当の先生にはこれまで親切丁寧にご対応いただいたし、事務の方も迅速かつ細やかに対応して下さっていたのもここに記しておかねばならない。

同志社という安定した母体があって、個々の教職員の先生方の能力が高くて、優秀な生徒が集まり輩出されていく循環が出来ている。それゆえに大企業に見られる特有の現象、組織的なウィークポイントのようなものをもしかすると本校は持っているのかもしれない、とか何とか、色々と考えてしまった。

(2021年7月15日)

この記事を書いた人