授業をしない。〇〇塾

学校でも学習塾でも「授業料」という言葉はよく使われる。
「授業料 90分×週2回 〇〇円」といった具合で。

これは一般的に講義を主体にした授業を意味する。演習を含む場合もあるだろうが「90分講義をしますから、その対価が〇〇円ですよ」と。

しかし現在、学校でも学習塾でもオンラインでも、「講義」という行為が垂れ流しのように容易に手に入る時代になって、授業そのものの価値は低くなった。

その状況を逆手にとって「授業をしない武田塾」のような業態が出現した。講義に対する対価を求めるのではなく、生徒を導くことに対して対価を求める形式であり、それが形骸化した講義型の授業を駆逐しつつあるのだ。

「teachingはもうお腹いっぱい。teachingは学校でも参考書でも映像でも溢れているのだから、個々に応じて導くcoachingの方が現実的だ」となる。

当塾も実は「授業(teaching:ティーチング)」ではなく「指導(coaching:コーチング)」を用いている。費用の記載も、授業料ではなく指導料。coachingという概念は今や珍しくはなくなったが、それでも教育現場全体で見れば比率はまだまだ「teaching > coaching」であろう。

提供側の原因として、coachingには一定の熟練が必要で、そのような指導者が不足していることと、teachingの方が教育業務として圧倒的に楽だからである。