例えば、AさんとBさんが会話をしていた。
AさんがBさんに質問すると、Bさんは質問されたことには答えるけれども、Aさんに質問を投げ返すことはない。
すると、Aさんからの質問が途絶えた段階で両者ともに無言となってしまう。
年齢が低くなるとその傾向が強くなり、年齢が高くなると会話のキャッチボールが弾む可能性が高くなる。
人生経験の問題といってしまえば、そうなのかもしれないが。
ここにあるのは「相手への関心の有無」だ。人生経験を積むと、色々な立場を経験するから相手の状況や心情を自分事としてとらえることができる。
恐らく、社会人においてはそれが早めに出来る人の方が世渡りは上手くいっているように思う。
◆
私は高校生の時に司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで、大勢の烏合の衆の意見を聴くよりも、優れたリーダーを一人輩出することの方が世の中の進化に役立つと思っていた。
当塾が生徒同士の横の関係を切り離し、一人ひとりに自分と向き合わせることを主体としているのは『竜馬がゆく』の影響が根底にある。
ところが近頃、孤高のリーダーを育てるよりも、いかに関わる相手に関心を持ち、それぞれの強みと弱みを補完し合いながら人と人の関係性を構築することの方が社会人として生きていく上では遥かに重要ではないか、と思えてきた。
ただし、学習塾においては単に横のつながりを強化するのも危険があり、良い方向に横のつながりが機能すればよいが、一方で横のつながりの集合体が腐敗した時に、全体が死に向かってしまう危険があり、横のつながりを手放しで推奨することもできない。
そんなややこしいことを考えながら、この夏に対面ではなくzoomを使って表現力とコミュニケーション力を養うような取り組みが企画出来たらと考え始めている。
かつて実施していた作文講座の進化版だ。
◆
当塾についての詳細な情報はこちらをご覧ください。