二宮尊徳を読む~その4

その3の続き。

「誠実の人は、前もってことを知ることができる」
これは霊感とか予知ということではなくて、誠実に努めながら生きていけば、「自分の波長」が「自然の道理」に対して一体となっていくから、自分に起きる出来事の中にこれから世の中で起きる出来事を発見したり、世の中の出来事を見て自分の異変を感じたりと、「自他一致(自他一如)」になってくるのだと思う。

だから尊徳がナスを食べて「秋ナスのような味がした」というのは不思議でもないし、尊徳が特殊な能力を持っていたわけでもない。尊徳の誠実に努める生き方が世の中に流れる波動と「自他一致」を起こさせ、尊徳の直感に働きかけたということでしかない。

ここまで見ても、とにかく尊徳のテーマは「勤勉と誠実」に尽きる。

先週は私も39度の発熱があり(疲れがたまると時々出てくる。※感染性ではない※)、仕事を続けるにはちょっとキツいな、とか思いながらも、果たしてこんなことで尊徳は音を上げただろうか、それよりも一つひとつの場面において自分は誠実を尽くして仕事が出来ているだろうか、と自問自答しながら、尊徳の学びを今こそ実践しようと念じた。