悩んだ末に見えてくるもの

模試の過去問で「悩んだ末に見えてくるもの」という作文テーマがあった。
中3のM・K君はこういう文章を書いた。


私はよく物を忘れます。そこで私がなぜ物を忘れるのか、どうすればその欠点を直すことができるかということを悩んでみたところ、前よりも物を忘れることが少なくなりました。

私はこの体験を通して、苦手なことやできないことについて自分で悩み考えてみるとおのずから、良い解決策を導き出すことができることから悩み続けることは欠点を直すのに必要だと思いました。

どうだろう。真理を突いてはいないだろうか。

今年の中3の夏期講習の中で、「潜在意識に考えさせる」という話を生徒たちにしたのだが、
http://kj-log.cocolog-nifty.com/kamiojuku/2013/10/post-55c7.html

そんな小難しい言葉を使わなくても、この作文は大切なことを簡潔に説いている。何か突き破りたい壁があるのなら、それについて「考え続けること」そのものが解決の糸口をつかんだことになる。

「勉強が苦手だな、どうしたら苦手が治るのか」そうしたことを考えることこそ、その生徒がその問題を自分で解決し始めているのだ。先ほどのテスト対策も同様。「どうしたら点数を上げられるのか」と生徒自身が考えることと、塾が適切な指導を施すこと、その車の両輪でそれなりの好結果がもたらされるのは当然のこと。生徒自身が考えることなく、塾からの一方通行だけでは、まだまだ先行きは厳しい。

「求めよ、さらば与えられん(新約聖書「マタイ伝」)」だ。