文を学んで主無くんば痴人に等しい

『論語』の述而第七にこういう記述がある。

▼原文
子曰、不憤不啓、不悱不發。擧一隅、不以三隅反、則不復也。

▼読み下し
子曰わく、憤(ふん)せずんば啓せず、非せずんば発せず。一隅(いちぐう)を挙げて、三隅をもって反(かえ)らざれば、すなわち復(また)せざるなり。

▼現代語訳
孔子がこう言った。「問題意識をもって自分から取り組もうとする情熱のない人間は、ヒントを与えられてもピンと来ない。解決の糸口を見い出そうと粘り強く努力する根気のない者は、何を教えても身につかない。例えば、四角いものの一隅を教えたら、あとの三隅を試行錯誤しながら解明するくらいの意欲がなければ、何一つものにならない」

・・・今から2500年前の言葉だが、現代人にそのまま通用する。

幕末の西郷隆盛もこう言っている。

▼原文
学文無主等痴人

▼読み下し
文を学んで主無くんば痴人に等しい

▼現代語訳
勉強をしても主体性、目的意識がなければ馬鹿者同然である。

※参考文献
『西郷隆盛漢詩集』(山田尚二・渡邊正 共編、財団法人西郷南洲顕彰会)

当塾についての詳細な情報はこちらをご覧ください。