公文式(くもん)で挫折するパターン

小学校低学年からくもんの教室に通っている場合、早い段階で先取り学習に突入して、例えば小学6年で高校数学に進むケースも少なくない。ところが良識あるご家庭は、ハタと気づく。「進むだけ進んでしまって、本当に学力がついているのかしら」と。

実際、既習単元をテストすると、まるで歯が立たない。進みっぱなしで反復をしなければ、人間の記憶は徐々に薄れていく。これが公文式で失敗するパターンである。

大事なことは「行ったり来たり」で、進みながら戻る、戻りながら進むようにローラーで足元を踏み固める方式で既習単元と新出単元を行ったり来たりしないと、記憶は強化されないし、本当の意味での学力はつかない。

例えば、「確率」を学習している中学生にいきなり「1次関数」を出題する。そのように、忘れた頃に忘れさせない取り組みをする。随時そういうスタンスであることが極めて重要で、これが記憶を引き出す力、つまり頭のやわらかさに直結するのである。