新学習指導要領がめざすもの

大江戸線運転士の集団感染、「盲点」だった共用洗面所の蛇口(読売新聞)

おっ、読売新聞が書いているのだから間違いないだろう、と思って読んでみる。
この記事からすれば、「蛇口」から感染が広がったのだなと読める。

「何てことだ!学校だって子供たちが水道の蛇口を共有しているじゃないか。そんな危険な学校を休校にしないでどうする!」と脊髄反射してしまう人もいるだろう。

ところが、
神戸大学の岩田健太郎教授。
https://twitter.com/georgebest1969/status/1350000029696606209

この岩田先生のスレッドに見えるように、発生源である東京都交通局に確認したところ実際には「蛇口の可能性がある」が独り歩きした誤報だったというわけだ。

このように、伝言ゲームはウイルスのようにどんどん変異して、全く異なる脅威を私たちにもたらしてくる。
従ってこのニュースは、又聞きを鵜呑みにするのではなく、岩田教授のようにソース(源流)に当たることが極めて重要ということを教えてくれる、学び深い事例である。

読書も同じで、例えば『論語』から抽出した名言集のようなものが発売されていたりするが、そういう編者の主観と嗜好で再編された二次商品よりも、大元の原典を読む方が遥かに価値が高い。原典を読んでそこから直接受ける印象、エネルギー、自分なりの考えが大事であって、水が飲みたいからといって人工的に加工された蒸留水よりも、カルシウムやマグネシウムといったミネラル分を含む天然水の方が遥かに味わい深いのである。

例えばJPEGやPNGといった画像加工も同じで、加工された画像をさらに拡大縮小や彩度の二次加工を掛けると劣化が進んで汚くなる。やはり、大元の画像から自分が必要なサイズやデータ量に合わせて一次加工で完成させた方が、元画像の魅力を残すことが出来る。

で、ここからが本題。
この週末、1/16-17に実施された大学入試共通テストでも、とにかく問題文が多い。大量の文字から自分に必要な情報を読み取って解答に反映させていくという傾向は、まさに新しい学習指導要領の方向性そのものだ。
https://twitter.com/koki_sakoda/status/1350652530737381378?s=27

~総じて言えることは、「情報社会」ということ。
上下左右さまざまな方向から入ってくる膨大な情報から自分にとって必要な部分を抽出して活用する力。それは不要・必要な情報を峻別する判断力も求められる~

となると、先の記事で
大木隆生医師や橋本英樹教授の記事URLを置いたが、こういった原文(1次情報)にあたるものを幅広く読み込んで、「さて(自分なりに)どう考えるか」という対応力と判断力が求められていることは、新型コロナウイルス感染症が単なる社会的脅威ではなく、今の情報社会における私たちが生きていく上でのリテラシー(読解記述力)の試金石だということなのである。