堺リベラル中学校・高等学校(堺市)

【アクセス】
JR阪和線の浅香駅を出て、大和川の支流に掛かる橋から水面を見下ろすと、大きな魚(鯉?)が泳ぎ、おびただしい数の亀が甲羅干しをしていた。のどかな住宅街を400m(5分)進むと、堺女子短期大学・香ヶ丘リベルテ高校・堺リベラル中高が会する130m四方のコンパクトなキャンパスが出現する。

【堺女子短期大学】
Wikipediaによると、大正11年(1922)に大阪府立堺高等女学校(現在の大阪府立泉陽高校)同窓会「愛泉会」が堺裁縫女学校を設立したことが起源と書いてある。

大学の開設は昭和40年(1965)で現在は「美容文化」「ビューティメイク」「舞台芸術」「保育士」「教養(ビジネス資格取得)」「美容師養成課程(通信)」の各コースを擁する短期大学。

【香ヶ丘リベルテ高校】
大正11年(1922)に先ほどの「愛泉会」が母体となって「堺愛泉女学校」が開校。愛泉高等女学校、愛泉高等学校と改称を経て、平成3年(1991)に堺女子高校、2012年に香ヶ丘(かおりがおか)リベルテ高校と再び改称された。

現在は「フィジカル(学内外の文化・スポーツ活動のサポート)」「ファッションビジネス(スタイリスト・ネイリストの養成、ショップ経営)」「美容芸術(美容師、メイクアップ)」「保育進学(保育士)」「ライフデザイン(秘書・介護職員など社会資格)」「クッキングエキスパート(製菓・調理)」「アンダンテ(将来の目標を見つける)」の全7コース。

【堺リベラル中学校】
平成21年(2009)に開校。「表現教育(楽器・ダンス・演技の授業が週に各1時間実施)」「英語」「マナー」を3本柱に据えている。平成30年(2018)に完成した新校舎の1階にはカフェテリアがあり、週に1回はビュッフェスタイルのランチが400円で提供される。

文化発表会(文化祭)では演劇・ダンス・音楽演奏の舞台発表が行われ、修学旅行は全員でハワイに行く(今年度は北海道に振替)。

高校へ内部進学する者と外部進学する者に分かれ、外部進学の場合は高校受験対策が施され、これまでに天王寺・高津・生野といった府立の文理学科、清風南海・四天王寺といった私立高校にも合格者を出している。チャレンジテストも加味して、令和2年(2020)度入試における学校平均評定は3.7(大阪府の公立中平均は3.4)

芸能活動を行う生徒のサポートを行っており、そういった生徒が舞台出演等で欠席をする場合は公欠扱いにしている。

令和2年(2020)度入試では96名受験で88名が合格。一般入試では国語+算数+面接、ダンス等の活動をしている者向けの特別選抜では作文+面接が課される。

特待制度としては、200点満点中の180点以上で入学金・授業料の全額免除、170点以上で授業料の全額免除、150点以上で授業料半額免除となる。

【堺リベラル高校】
新校舎と共に平成30年(2018)に開設された高校。高1が習熟度別クラス、高2で「表現進学(大学進学)」「表現アクティブ」に分かれる。

「表現進学」では早朝テストの実施、放課後補習(授業の応用or中学校の学び直し)、勉強塾(外部予備校講師による放課後講座、別途費用は不要)の開催。

「表現アクティブ」は堺リベラル中学校のカリキュラムを発展させる形で、「身体・芸術表現(楽器・ダンス・演技・声優・イラスト)」「言語表現(スピーチ・ディベート・プレゼンテーション)」を核に各界のプロ指導者を招いて、専用施設と多彩な発表の機会をもって技能を磨いていく。卒業制作の「リベラルライブ」では本格的な舞台装置、照明、音響を用いてハイレベルな総合芸術に仕上げる。

いずれのコースも併設短大への内部推薦が可能で、入学金30万円が免除される。

海外留学の推進として、特別交換留学制度も充実させており、留学先での単位認定を本校で行うため、長期留学を行った場合でも3年間で高校卒業が可能となる。

部活動は全国レベルのダンス部、府大会レベルの演技声優部、その他軽音楽部、大阪城公園でボランティアガイドを英語で務めるESS、インターハイ出場のレスリング部が活発。

本校は宝塚音楽学校を第一志望とする者にとっての併願先になっている。

【休校時のオンライン対応(堺リベラル高校)】
リクルートによる全国高校のオンライン対応状況の調査によると、

◎オンライン学習ができた学校=私立38%、公立21%
◎オンライン授業ができた学校=私立26%、公立9%

であり、圧倒的多数の高校では課題提出のみで時間が過ぎていったようだ。

本校ではYouTubeによる授業動画の配信+週1回の課題郵送を行い、YouTubeでは教科だけでなくダンスや楽器といった本校独特の授業も配信を行った。現在は今後再び休校になった時のためにZoom、Skype、Googleクラスルームの活用を教職員で実験している。

【まとめ】
本校は歴史的経緯から見ていかないと、仕組みを理解するのが難しい。香ヶ丘リベルテ高は各学年7クラスだが、堺リベラルが中高は各学年2クラスの小規模な学校である。

説明会にはくもんの先生?だろうか、近所のおじいちゃん・おばあちゃん先生のような方も多数来られており、そこは進学校と雰囲気を異にする所である。

受付およびドリンクを配布して下さった女性の方々は教員の先生方だろうか、全員統一されたタイトな黒スカートと白いブラウスを身につけ、そこにフェイスシールド着用という、不適切な言い方かもしれないが「近未来の宇宙のコンパニオン」のような方々の姿が何故か印象的であった。

説明会の場内が消灯してしまって配布された手元の資料が読めなかったり、カフェテリアに一度着席してから成麗館大ホールに移動したりと、学校側の配慮といえば配慮なのだろうが、もうちょっと動線をスッキリさせても良いのでは?と思うこともあった。いや、これが本校の本校らしいチャーミングな所なのかもしれない。

説明会に登壇した中学生・高校生各2名ずつの学校紹介プレゼンテーションは大変秀逸で、それぞれの生徒が高い言語表現力を身につけていることがよく理解出来た。「素晴らしかった」と心から褒め称えたい。

帰りはJR阪和線の堺市駅に徒歩10分で出た。堺市駅から天王寺駅までは紀州路快速でたったの8分である。

(7月31日訪問)

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