星翔高等学校(摂津市)

【概要】
阪急京都線の摂津市駅から960m(徒歩12分)。
昭和18年(1938)浪速工学校の設立から、昭和23年(1948)浪速工業高校、平成7年(1995)星翔高校と改称され、平成31年(2019)に男女共学化。創立84年、大阪府下の私学で唯一の工業科を持つ。

本校は工業科のイメージが強いが、普通科にも力を入れており、さまざまな志向の生徒を受け入れる「全方位型」の総合高校を目指している。

【6学科・3コース編成】
◎普通科(アドバンスコース)
大学進学を目指す、20名の少人数クラス。1年次はノートの取り方や予習の指導に始まり、当たり前のことを当たり前にできる「自学自習力」を身につける。

本校の進学指導は、大学二部または短大からの四年制大学編入を視野のひとつに入れることが特徴。京都経済短大、京都外国語短大、三重短大(津市立)は四年制大学への編入指導を活発に行っており、関西大、三重大、名古屋の南山大などに進学可能。

◎普通科(キャリアコース)
将来の方向性が定まっていない生徒へ向けたカリキュラム。

1年次は企業へのインターン(クエストエデュケーション)を行い、HIS・Panasonic・三菱地所・クレディセゾン・大正製薬といった企業からの出題を受け、情報収集・市民アンケートの分析・資料作成を経て、新商品の開発に関するプレゼンテーションにつなげる。

その結果、2019・2020年度のクエストカップ(探究に関するコンテスト)企業探究部門で全国大会に出場している。

2・3年次では、1年次に養った社会に対する「実感」を土台に、下記7分野について辻調理師専門学校など専門学校・企業との連携授業を実施。
 *医療・スポーツ
 *調理師・パティシエ
 *空間デザイン
 *英語コミュニケーション・ダンス
 *IT・ロボット
 *エンタテインメント
 *保育・幼児教育

連携授業を詳細に見ると「ホテル」「歯科技工」「理学療法」「動物」といった生徒の多様な興味・関心・適性を網羅するプログラムになっており、生徒自身の模索を助け、<失敗しない進路決定>に繋げている。

◎国際科(スポーツコース)
名称は国際科だが、内容はスポーツ中心のコース。体育大学または体育系学部への志望が中心となり、クラブ活動の実績をもとに大学進学するケースが多い。

スポーツコースは専願のみで、男子はバレー(2021年近畿大会出場)・バスケ・硬式野球・卓球部、女子は女子バスケ(2021年インターハイ近畿大会ベスト4)・女子サッカー・女子柔道・女子卓球・女子バレー部が強化指定(高校顧問と中学校との相談が前提)。

◎工業技術系4学科
1年次は旋盤(せんばん)・ロボット制御・電気工事・コンピュータ実習を共通履修し、担任と慎重な相談の上で2年次からの学科を選択する。

 *機械工学科
 ガス溶接・アーク溶接など資格取得。設計・製図も含めた機械技術者を育成。

 *電子機械工学科
 NC(数値制御)工作機械など、ロボットの制作・操作を通して電子機械のメカニズムと制御回路の基本を学ぶ。

 *電気工学科
 電気技術者の育成が目的で、本学科では第二種電気工事士の筆記試験が免除となる。第一種電気工事士の合格率は全国平均60%に対して、本校は83%と高い。

 *コミュニケーションシステム工学科
 IC・LSIなど、パソコン・スマートフォン・ゲーム・音楽プレーヤーに共通するシステムを学び、情報通信技術者を育成。

危険物取扱者、ボイラー技士・フォークリフト・消防設備士といった国家資格も多数取得が可能で、年間の計画を踏まえた資格取得を本校で積極的に指導する。

工業技術系4学科からの進路は進学46%・就職52%だが、国公立大・私立大ともに専門高校対象の推薦入試が有名大学も含めて幅広く利用できる。

また、本校卒業後には工業高等専門学校(高専)への4年次編入も可能。高専卒では40%が長岡技術科学大(高専卒業生のために設立された国立大学)などの四年制大学、60%が大企業への就職と、ハイレベルの進路も描けることになる。

本校で学年上位10%の成績を取れば、大阪府立高専の4年次への編入も視野に。他に、近畿大高専といった指定校推薦枠も有り。

【高校初!認定ドローンスクール】
◎ドローンビジネス市場の拡大
先の2020東京オリンピック開会式では1824機のドローンを用いた変幻自在の造形が話題になったが、ドローンビジネスの市場は「2020年度1932億円→2025年度6427億円」と急拡大中である。

2022年よりドローンの操作は国家資格化され、免許が必須になる。そこで、本校では2020年夏より一般社団法人JUIDA(ドローンの講習を行う団体)の高校初の認定スクールとなった。

電子機械工学科では1年次よりドローンに触れ、操縦訓練・組み立て・調整・大会に向けたドローンの制作、大型産業用ドローンの製作と飛行実践を重ねていく。

◎高大連携の開始
本校独自のドローンスクールを立ち上げたことで、本校が大学に向けてドローンの教習を提供することも可能になった。2021年8月からは大阪府大高専(大阪公立大高専)との連携、災害時食糧輸送などを通した産学連携も開始する。2022年4月に開学する大阪公立大学でもドローン専攻が設置される予定で、今後そういった方面との協働も他校に先駆けてリードしていくことになる。

【伝統の工業系クラブ】
ドローン研究部、電気自動車研究部、電子機械研究部(全日本ロボット相撲選手権全国4位・2021年Ene-1全国大会<鈴鹿サーキット>2位)と本校独自の部活動もさかん。

【まとめ】
2020年理事長に就任された阿部賞久氏は1980年に立ち上げた自らの学習塾を経営する傍ら、摂津市議会、大阪府議会の議員を計22年間務められた。その政治力ゆえ?かどうかは分からないが、本校は先生方のヘッドハンティングが上手な印象。

というのは、入試広報室長の宮本先生はもともと箕面自由学園で入試室長をされ、予備校での進路指導経験もされている。その宮本先生が本校に移籍するにあたって「星翔高校で高大連携をやりたい」と。その念願から57歳でおられる宮本先生ご自身が航空法などのさまざまな知識を学んで今年ドローンの操縦資格を取得された。

資格があるからこそ、大学や高専の先生方と対等に話をすることが出来る。ドローンには「無人航空機操縦技能資格」「無人航空機安全運航管理資格」「無線従事者免許」があるそうだが、これらの資格取得に費やしたエネルギーは、他人の想像をはるかに超えるものだろう。

私の印象では本校の先生方の熱量は他校のそれと比較にならない位に高い印象を受けた。説明会の司会をされた事務の女性も、アナウンサーか?と思われるくらいに発声が上手で、本校は偏差値では評価できない、実は隠れた「すごい学校」なのだろうと強い印象を受けた。

(2021年9月3日)

この記事を書いた人