ひとつの塾にしつこく通う

要諦28:戦略の内容の良し悪しよりも、トップが組織末端での実行をしつこくフォローするかどうかのほうが結果に大きな影響がある。

『V字回復の経営』(三枝匡・著、日本経済新聞出版社)~P.266より

「要諦28」から更に置き換えてみる。

【塾選びの良し悪しよりも、一度決めた塾での通塾をしつこくフォローするかどうかの方が結果に大きな影響がある】

当塾では数年前まで「塾選びで、人生が変わる」というキャッチフレーズで広告を出していたが、実際に塾選びで人生が変わるが、一方、塾選びで人生はそれほど変わらないとも言える。何が言いたいのかというと、どのような塾でさえ徹底的に学ぼうとすればそれなりの成果が得られるということだ。

ここに、一つの塾に通い続けるパターンと、転塾癖がついてしまっているパターンの2つがある。

転塾癖がついてしまうということは、「大手の〇〇に行ったけど、先生と相性が合わなくて」とちょっとした理由で退塾してしまう。本当に致命的な原因ならば辞めるべきだが、多くの塾で実際にはそう辞めるべき事案でないのに辞めてしまうケースが少なくない。そして、一度辞めてしまうと、辞めることが出来るという気安さが自分のなかに根付いてしまうから、そこで何を学ぶかという目的意識よりも、そこで自分がどういうサービスを受けるか、というお客様意識の方が上回ってしまって、結局どこに行っても成績は上がらず、あそこも駄目、ここも駄目、と結果として塾を転々と渡り歩くことになる。

これは会社に勤める従業員も同じで、一度転職癖のついてしまった人間は、転職を繰り返す傾向にある。それが自分にとって待遇改善であったり、自身のスキルアップになるならばまだしも、多くの場合は結局同じようなボールを再度転がしているだけの不毛な転職に過ぎなかったりする。

やはり「石の上にも三年」で、大手塾であれ集団塾であれ個別塾であれ、唯一最高の選択肢が存在するわけではなく、一度通い始めた塾で主体的に徹底的に学ぼうとすることの方が、結果に繋がり易いということだ。