潜在意識の使い方

この話は以前も出てきたし、今年の作文講座でも少しだけ取り上げたのであるが、実はものすごく大事な人生のヒントになる話である。

よく言われることとして、人間の意識には「顕在意識」と「潜在意識」があって、富士山の頂上の雪くらいに少しだけ見えているのが「顕在意識」。その他の雪よりも下の部分、圧倒的ボリュームのそれは「潜在意識」であると一般的に言われている。

人間が自覚しているのは、この先端の「顕在意識」で、意識の大半を占める「潜在意識」のことはほとんど自覚出来ていない。

さて、ここまでが前提。問題は先ほどの「頭を使って考える」の時に、考えるべきテーマが複数あれば、それらをまず自分の頭の中に放り込むということだ。それは紙に書いてであったり、スマートフォンのスケジュール管理でTo Doリストに表題を書くのもよいだろう。テーマを文字や言葉で具体的に自分で認識する。そうしたら、一回そのことは忘れて、他の仕事のことを考える。時間が経ったら、あれはどうだったかなと、元のテーマを見返したりして思い出す。そしてまた忘れて他のことを考える。このパターンはマニュアル化できるものではないが、こうやって思い出したり忘れたり、というのを繰り返しているうちに「顕在意識くん」だけでなく「潜在意識くん」も24時間バックグラウンドで思考をしてくれるため、意外と質の高い解答が自分の中から引き出せるようになったりする。

例えば塾の私の業務であれば、「〇〇さんの面談をどうしようかな、進路をどう考えようかな」というテーマを自分の中に投げ込んでおいて、かき回したりフタをして煮込んだりということを2週間くらい繰り返しておくと、少なくともその場しのぎでは到底考えられないアイディアや、先の見通し、現在の分析といったものにかなり精度高く自分自身の意識を踏み込ませることができるようになるのだ。

問題の難度や困難さによっては解決のスパンは長かったり短かったりもするだろうが、この「潜在意識」の活用を意識することが重要である。