保護者の方から「うちの子は通知表や成績表を学校でもらっても、親に見せようとしないんですよ」という話を聞くことは少なくない。「まだ成績表が出ていないから」「学校に返したから」と嘘をつかれたという話も聞く。
これらの原因には、子供の中に芽生えた「罪悪感」がある。
「親に見せたら怒られる」「見せたら恥ずかしい」という防衛本能が子供の中に働くから、親に対して見え透いた嘘をついてしまう。場合によっては小細工で成績表を書き換えてから、やっと親に見せるケースもあるだろう。
これ、どうすればよいかと言うと「罪悪感」を持たせないことだ。大人側としては思わず「何でこんな低い成績なの」と感情的に捉えてしまうが、子供は純粋なので、そのネガティブな言葉が「罪悪感」に変換されてしまう。
私は生徒の成績に対してネガティブな言葉を発したことがない。成績表は淡々と事務的に受け取って、本当に褒めるべきポイントがあれば褒める(中途半端に褒めることはしない)。そういう風に、通知表や成績表を自宅や塾で提出することをまず粛々と「当たり前のこと」にさせる。
よほどの本人の怠慢が原因であれば、何らかの話し合いも必要かもしれないが、上手くいっていない時というのは大人側の「原因分析の不足」「構図づくりの失敗」「戦略ミス」が根源であることがほとんどだ。
大人がヒステリックな反応をすればするほど、子供は「罪悪感」に苦しめられていく。