社会人の世界はシビア

教室に備えてある置き薬の点検時期が来た、ということで某置き薬メーカーの営業担当から電話がかかってきた。互いの都合を確認し「4月27日の16時半に伺います!」ということで約束をし、当日を待った。しかし、その日16時半になっても営業担当が来ない。電話もない。ということでしばらく様子を見ることにした。

約束の日から40日経った先週のある日、その営業担当が突然教室にやってきた。これまた突然というのもどうかと思ったが「すみませんでした」というので訳を聞くと、「その日子どもが生まれたのでバタバタしていて」と答えてきた。すかさず私は「それはよかったですねー」と言いながら、別の理由をつけてその場で解約することにした。

結局、その営業担当は黄色い薬箱を抱えて帰っていった。社会人の世界って、このようなものだ。「来れないなら最悪の場合、事後でも電話するんだよ」と言って諭しながら関係を継続してくれるのは学生までだ。社会人は即解約。これで全てが終わってしまう。信用は一瞬で消え、顧客も消える。売り上げが落ち、自分の首を絞めることになる。子どもが生まれようが何であろうが、顧客には関係がない。

この話は決して私がこの営業担当を糾弾するために書いたのではない。何となれば油断が出れば私自身も同じことをしかねない。緊張感をある程度持ち続けることは大切だし、自分を戒める意味も含めて塾生には普段から【授業時間に遅れる場合は必ず事前に連絡すること】その上で【遅れたらその理由を自分から伝えること】を徹底させるようにしている。少なくとも無断キャンセルはありえない。「信なくば立たず」という言葉は、実は自分が生き延びるための知恵の言葉でもあるのだ。