清風学園のイズム

参与の先生にお世話になっているので、その御礼も兼ねて清風学園の説明会に参加した。
平岡英信理事長が今年95歳を迎えられ、また仏教を強く主軸に置かれている学校なので、大阪の中でも特に古風な学校といえる。

「今の人はシステムシステム言いますが、そうやないんです、要は教えること、しっかり教えることが大切なんです」と理事長。95歳の理事長が経営を握られている学園なので、中堅以下の先生方にとっては何かと動きづらい面も多々あるだろうと推測する。

昨年のことだが、先の参与の先生との会話で印象に残っている話がある。四天王寺の「どやどや」である。
毎年1月のいちばん寒い時期に「生野の農民」と「住吉の漁民」が四天王寺で撒かれる札を奪い合い、豊作または大漁を占う。

300年以上続く「どやどや」だが、ある時期から反社集団が参加してくるようになり、四天王寺から清風学園にヘルプコールがかかったらしい。その後は清風高校の男子生徒たちが全裸にふんどしを締めて祭りに参加している。

動画に見えるように、先生方が両側から水をかけても、生徒たちの熱気ですぐに湯気となり乾いてしまう。

この「どやどや」にかつて参加した卒業生が、その後結婚して奥さんが妊娠した際「どやどや」で自らが締めたふんどしを腹帯にして、妻の安産を願ったというのだ。無事に赤ちゃんは安産で出産され、その後すくすくと生育しているらしい。私は参与の先生のこのお話にいたく感銘を受けてしまった。

ここに、数字やデータ、進学実績だけでは表現できない、目に見ることのできない清風教育の凄みがある。

コロナ禍の空白もあり、これからの世代の先生にその「イズム」が十二分に受け継がれることは大変難しいかもしれない。また、学校間競争の激しい東京ではなく、大阪だからこそ存在できる学校という気もする。いずれにしても、こういった異なる角度から学校を掘り下げて見るのは、学校分析の醍醐味である。

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