二宮翁夜話を読む~その1

二宮尊徳が語ったことばを集めた一冊から。
http://www.kamiojuku.jp/archive/180107.pdf

千里の道も一歩から、ちりも積もれば山となる、ということばもあるが、「積小為大」の項は必読だろう。高い志望校を目指す生徒ほど、基礎がしっかりしていないと上に向かって立てないのだ。という風にも読み替えられる含蓄の多い項。

裏面「民次郎を諭す」の中盤部分は、塾でいうと定時で授業終了すればそれまでのことだが、神尾塾では受験生を中心に80分定時のところを、延長を含めて3時間程度の授業をしてしまったりする。延々講義するだけの塾ではないので、演習時間も含めればそれくらいの時間が必要になるということなのだが、延長も一方的な押し付けではなく生徒の実情に合わせた、生徒と塾の阿吽(あうん)の呼吸によるものということができる。そこまでの取り組みがあるから生徒やご家庭の意識、モチベーションに働きかけられる側面も少なくないようには思う。と、いう話と通じているように思えた。

終盤の「わらじ」の話はなぜか胸にせまるものがある。内村鑑三が「代表的日本人」の二宮尊徳の項で「運河建設の計画を立てるのに道徳的要因を数える人物、その人こそ結局は最も実際的な人物になるのであります」といっているが、まさに道徳即実務であり、宙に浮きがちな机上の理想論ではなく、人間が生きていくために稼がなければならない「利益」という点に最終的に落とし込んでいる、明解な道理の話なのだ。

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