お前はそれまでだ

先日、出張帰りに乗った羽田から船橋駅に向かうバスが首都高速の工事渋滞に巻き込まれてしまい、東武線の最終電車を逃してしまった。
仕方なく新京成の深夜バスに乗車したわけだが、隣の乗客が携帯電話で話し始めた。

「なんだ、バスの中で電話しやがって」

と私は一時立腹したが、その話の内容につい引き込まれてしまった。
どうやら、隣の乗客は『会社の先輩』であって、電話の相手は『会社の後輩』ということらしい。

部署の異動でもあったのだろうか。その後輩は先輩に愚痴というか、相談をぶつけているようだ。その先輩はこう返した。

「お前さ、つるむんだったら自分と合わない人とつるんだ方がいいよ。同じ波長の人ばかりと過ごすのは気が楽だけど、それに安住してたらお前はそれまでだ。自分と合わない人間と一緒に仕事した方が、人間として何倍も成長できる。幸い、お前の新しい上司はお前と正反対のタイプだ。ま、俺バスだから降りてからまた話そう。15分後にかけ直す」

「お前はそれまでだ」・・・なるほど。しみじみ、いい話を聞かせてもらった。