たぬき

中2塾生のW・Hさんが出演されるということで、12月16日(土)きらりホールで開催された、第3回かまがや市民創作ミュージカル「たぬき」を観覧させてもらった。

主演の俳優さんを除いて、37名の出演者の皆さんは鎌ケ谷市民からの一般公募ということであったが、歌唱、ダンス、セリフ、足のステップ、動き、表情とそれぞれがいきいきとレベルの高いパフォーマンスを魅せてくれた。

鎌ケ谷のとある梨畑にほこらがあって、その穴の先にはたぬきの生活する世界が広がっていた。人間の主人公の「だいすけ」は子供の頃、たぬきの主人公「メイ」に誘われてたぬきの世界で一日を過ごす。その後大人になった「だいすけ」と「メイ」は偶然再会して恋をするわけだが、もともと「メイ」はたぬきであり、5時間だけたぬきから人間に化けることの出来る薬を飲んで「だいすけ」と再会していたのだ。

「だいすけ」は少しずつ「メイ」の不審さに気付いていく。「メイ」はどうしても永遠に人間になれる薬を飲んで「だいすけ」と結婚したい。でも「メイ」にとってはたぬきの家族や仲間も大切にしたい。そんな「メイ」の葛藤が続く。

「だいすけ」はたぬきが住む梨畑の跡取り息子でもあったが、ある日たぬきが出入りするほこらを埋めてしまおう、という意見が人間たちのあいだで交わされた。ほこらを埋めてたぬきを駆除しよう、というのだ。そして祈祷師を呼んできてほこらを埋める儀式を行おうとすると、そこで人間とたぬきたちの戦いが始まる。結局「メイ」のたぬきの母親と幼馴染(おさななじみ)が人間に拘束されてしまい、梨の木に括りつけられてしまった。

そんなたぬきの仲間に掛けられた縄を「メイ」が解こうとすると・・・。ここで「だいすけ」は「メイ」がたぬきであることに気付いてしまう。「だいすけ」にとっては自分がたぬきと結婚しようとしていたなんて、信じられない。結局「だいすけ」と「メイ」は決別してしまう。

数年後の夏、
完全に人間になる薬を手に入れた「メイ」は「だいすけ」の営む梨販売所に現れ、「梨を1個だけください」と「だいすけ」の作った梨を求めて、「だいすけ」に気付かれないまま去っていく・・・。

ここで幕が閉じる。

もう、泣いたね。
私の背後でも鼻をすする音が聞こえ、私も思わず涙が流れた。そんなステージに没頭した2時間であった。

W・Hさんにとっては今年が3年目の出演ということで、申し分ない出来栄えであったことは言うまでもないが、鎌ケ谷市民のみなさんがここまで完成度の高いミュージカルを作り上げられたこと、またそれが文化的集積の強くはない鎌ケ谷という地で実現されたことに、脚本・演出の先生、出演者、バックステージの方々へ心から敬意を表したい次第だ。

また、勉強というものも大切なのだけれども、一方でこうした心を豊かにする取り組みに参加する経験ということも大変貴重かつ重要なことであり、W・Hさんにとってもこういった経験の一つひとつが将来への大きな布石となっていくのだろう。ちなみに彼女は2学期の学校実力テストで3科学年1位。更に飛躍してほしいと心から願う。

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kamiojuku