二宮尊徳を読む~その2

その1の続き。
http://kamiojuku.jp/archive/171015.pdf

【不毛な土地はことごとく、尊徳には富と生活の糧を与えるものとなりました】
前回にも書いたが「無から有を生む」、これが尊徳の偉大なところだ。不毛な土地を生かす、つまり捨てる所がない、あきらめない、全て生かすという意気込みと知恵と工夫、これが使い捨てに慣れた、または他者やモノに優劣のレッテル貼りをついしてしまいがちな現代人にとっては大変学ばねばならないポイントである。

【自己の力によるのではなく、先祖から受け継いだ余徳によるのだ】
自分の力のおかげだと傲慢にならずに、先祖のおかげ、と常に謙虚でいる姿勢も学ばなければならない。争いは常に傲慢から起き、平和は謙虚から始まるはずだ。

【荒地は荒地自身のもつ資力によって開発されなければならず】
他力、ではなく自力をいかに喚起するか、が尊徳のひとつのテーマだったのだろう。困っているところに金や手を差し伸べることは一つの手段ではあるけれども、その方法ではいつまで経っても依存癖から抜けさせることが出来ない。そこで、自力で状況を好転させるための手助けならばどこまでも惜しまず協力するという尊徳のスタンスはまさに現代にこそ私たちが学ぶべき考え方だろう。

尊徳は今から200年前の人物であるが、この本に書かれていること全てが現代への預言書となっているのではないか。是非添付の原文を読んでほしい。