二宮尊徳を読む~その1

今夏の作文講座で内村鑑三の「代表的日本人」を扱ったのだが、私自身読み返して学ぶところが多く、今月から神社の勉強会で全文をみんなで読もう、という企画を始めてみた。昨日が第1回で、その資料はこちら。http://www.kamiojuku.jp/archive/171001.pdf

自分の境遇に負けないこと、自分で考えること、時間を無駄にしないこと、無から有を生むこと、財は自分でつくること、そして一貫するキーワードは何と言っても「勤勉」だろう。

歩きスマホを助長するといった理由で全国の小学校から二宮金次郎の銅像が撤去されているらしいが、読書をしながら薪を担ぐという姿は、これらのキーワードを象徴したものであり、それを歩きスマホと同一視して、金次郎の崇高さ(こころの豊かさ)を説けない現代の大人の浅はかさと愚かさ、がここに見てとれる。

また、財は与えられるものではなく、自分で生み出すものなのだ、という思考と行動力は現代におけるベンチャー精神でもあり、まさに生きる力でもある。そして「勤勉」についても「勤勉にしていなさい」と指示をされて勤勉にすべきものではなく、クリエイティブを実現しようとしたら必然的に自分自身が「勤勉」になっていたということだ。

人生は自分次第だぞ、自分がどうするかによって人生は変わるのだぞ、境遇も財産も自分次第だぞ、という無限の可能性を金次郎は教えてくれている。