『周期』で読み解く世界の未来

(抜粋ここから)

◎歴史は80年で一巡するのか?

「歴史には周期がある」という考えは決して新しいものではなく、最初に唱えたのは、古代ギリシャの歴史家だったポピュビオスだ。

彼は著書『歴史』の中で、政治体制は「君主制が成立する→暴君が登場して専制に陥る→貴族制が取って代わる→少数の貴族が支配する寡頭(かとう)制となる→民主制に変わる→大衆迎合的な衆愚(しゅうぐ)制に変質する→強力なリーダーが登場して君主制となる」と変化し、ある一定の周期で社会が大きく変わることを喝破した。(P.64)

◎ジェネレーションZ(1997年から2012年生まれ)

若い頃からインターネットや携帯型デジタル技術に触れて育った初めての世代として「デジタルネイティブ」と呼ばれているが、彼らは必ずしもデジタル・リテラシーが高いわけではない。

以前の世代と比較して、行儀が良く、禁欲的で、リスクを避け、ゆっくりと生活する傾向がある。10代での妊娠率も低く、アルコールの摂取頻度も低いが、アレルギーの罹患率が高く、メンタルヘルスの問題を抱え、睡眠障害に陥りやすい。

ジェネレーションZは、世界中で以前よりも電子機器に費やす時間が増え、本を読む時間が減っている。このことは、彼らの注意力、語彙力、ひいては現代経済における彼らの将来にも影響を与えているといわれている。(P.82)

◎人間や社会は進歩しているように見えても、根源的な欲望は変わることはなく、おおよその寿命が決まっていることから、自分が体験していない同じ過ちを何度も繰り返す、ということだと考える。(P.85)

◎社会全体の教育力が低下した国家は、イノベーションを起こしづらくなったり、腐敗が進んだりするといえるだろう。

日本ではバブル崩壊後から、いわゆる「失われた30年」が続いている。他国ではそれなりの成長をしているのに、日本だけはずっと停滞している。その原因のひとつを、教育に求める識者は少なくない。

日本で広義の「ゆとり教育」がスタートし、学習内容・学習時間の大幅削減が行われたのは1980年代初頭だが、彼らが社会に出た時期と、日本の景気が頭打ちになった時期とがぴったりと符合するのは偶然なのだろうか。(P.123)

◎上昇段階の国家が兼ね備える特徴とは(P.124)

レイ・ダリオは、上昇段階にある国家は、以下のような特徴を兼ね備えていると指摘している。

 +有能な指導者によるリーダーシップ
 +強い教育システム
 +礼節の正しさと労働倫理の高さ
 +法の支配がなされ社会の腐敗が少ないこと
 +効率の良い資源配分システム
 +グローバルでオープンな思考
 +国民の収入が増えていること
 +インフラ、教育システム、研究開発への投資増
 +生産性の向上
 +新技術の登場
 +貿易市場における大きなシェア
 +自国の防疫網を守る軍事力
 +強力な金融センター
 +基軸通貨

◎1985年、オーストリアで行われた「フィラハ会議」で、地球温暖化の問題が討議されて以降、地球は暑くなっていくとほとんどの人が考えている。だが、もう少し長いスパンで見ると、その予測は間違っているかもしれない。

英ノーサンブリア大学の天体物理学者で、97%の確率で地球気象の未来を予測するバレンチナ・ザルコヴァ教授は、これから地球は寒冷化に向かうという。(中略)ザルコヴァ教授によれば、2030年代に太陽活動が低下し、次の寒冷期が訪れると確信を持って予測している。(P.133)

◎シュタイナーの7年周期説

シュタイナーは人生を、7年ずつ、9つの時期に分けて考えている。最初の3期、すなわち21歳までの期間は、成人して自立するための準備期間と捉える。(中略)

 +7~14歳=「感情」が大きく成長する時期。多くの人と出会ったり、たくさんの経験を積んだりして、精神的な豊かさを得る。芸術や自然の「美」とふれあい、感受性を磨く。

 +14~21歳=「思考」が大きく成長する時期。哲学や思想、恋愛などに目覚め、時には迷い悩みながら自らの軸を構築していく。その過程を経て「真」に近づこうとする。(中略)

21~28歳では、善を実現するため、友人や恋人とつながりを持ち、社会の中で果たすべき役割を模索する。一方、42~49歳の時には、人生の折り返し地点を過ぎて「自分の人生はこれでいいのだろうか?」などと葛藤し、善を実現することが人生の目的だと再認識するという。(P.140)

(抜粋ここまで)

アメリカの投資家、レイ・ダリオ氏による「上昇段階の国家が兼ね備える特徴」の中で「礼節の正しさと労働倫理の高さ」という項目が出てきた。
結局「だらしない」のはダメだということだろう。

ちょっと本筋から離れるけれども
現代日本の教育は母国語を軽視する傾向がますます強くなっている。どこを向いても英語、英語、英語。もちろん国際的なコミュニケーションの道具として英語が必要なのは言うまでもないが、それと同じ、またはそれ以上に母国語の教育にも力を入れなければならないはずだ。

日本が独立し、これまで文化的・経済的な発展を遂げてきたのは強い母国語があったからで、ここを根こそぎ崩し去ってしまうような風潮が現代の教育業界に跋扈(ばっこ)しているのは私個人として大変恐ろしいと思っている。

『いままで起きたこと、これから起きること。
 ~「周期」で読み解く世界の未来』
高城剛・著(光文社新書)
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334046064

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