入塾は性格改造 2017

まず、2013年5月30日の塾通信「入塾は性格改造」から読んでみよう。
http://kj-log.cocolog-nifty.com/kamiojuku/2013/05/post-ef1c.html

この記事から4年。
今年の初旬に入塾した生徒が、入塾から3~6ヶ月を経て、やっと、やっと神尾塾で学ぶスタートラインに立ち始めたような気がする。

中学受験を控えている、A・M君(小6)のケース。
お母様からいただいたメールをそのまま転載。


>> しかし、塾帰宅後、内容を確認したところ、学校の宿題はもちろんの事、塾教材の解き直しを全てやり、漢字自習教材を1ページ半分取り組んでいました。字もMにしては丁寧に書いていました。「神尾先生にメールしておくね」と話すと、「お願いします」と返事が…。今までのMと違う対応に正直びっくりしています。昨日は23:00まで勉強しており、寝不足も良くないと判断して、漢字自習教材半分で終わっているところを最後まで取り組ませ、早めに休ませました。
>> 指示付箋紙に済みと記入したり、指示された範囲が終了した後、自ら先に取り組んだり、今までのMにない姿に「どうしたの?」と聞くと、「今日はなんか調子良かったから…」との返事。さらに「今日は早く寝て、明日からまたがんばる、お母さん、課題指示お願いします。」と言ったM、これが一夜限りでない事を願うばかりです。

以下が私の返信。


>>この点は、私も嬉しく思います。胸が熱くなりますね。
>>入塾から5ヶ月。これまではある種の「性格改造」の時間であったと思います。
>>実際、性格面まで踏み込まないと、塾の指導は本当の意味で成り立たず、そういうことも含めて今スタートラインに立てたことを嬉しく思います。
>>授業は21時まで時間を要していますが、本日は理科の天体「地球と月と太陽、と時間の関係」「夏至と冬至の違い(緯度など)」「海岸線の様子(小石・れき・砂・泥の区別)」等に特に時間を掛けました。こういった腰を据えた取り組みが出来るのも、M君に「字をきちんと書く」「きちんと返事をする」という大切な土台が育まれてきたから、と言えます。この調子で受験まで進んでいただけることを切に願っております。

実はこれを書きながら、胸が熱くなるどころか、これまでの経緯を思い返しながら生徒が全員帰った後の教室で思わず涙が出てしまった。

「そこでハイと返事するんだよ」「ちゃんと両手で渡せよ」「字きちんと書けよ」「何だこの宿題の雑さは」・・・数え上げればキリが無いほどにA・M君を叱ったし、机に教材を叩きつけたことも1、2回ではない。お母様とも何度も面談をさせてもらったし、お母様ご自身が根気強く、また真っ当な価値観をもってその都度対処してくださったこともあるが、2月の入塾から5ヶ月を経て、今ではA・M君は誰よりも立派に挨拶が出来るし、返事もきちんと出来るようになった。ノートも崩さずきちんと書いている。

(部外者の人が見れば、そんなこと出来て当たり前だろう、と思うかもしれないが、こういった超基本的な指導がされなくなっているのが現代の教育である)

基本的なことが出来るようになりつつあり、その流れに乗って、本来の目的である受験勉強も軌道に乗り始め、それが先述のお母様から頂いたメールにおけるM君の行動に繋がっているのだろう。

まあ、こう書いてしまってA・M君が今後崩れていくとも全く言えないわけではないが、今は少なくとも人間面でA・M君は一つの地点に到達したと私は思っているので、何とかこのまま来春の受験に向けて学力も高め、更に人格も磨いて欲しい。今学んでいることはM君が社会に出てから必ずM君自身の援けになるはずだ。