県立高校前期入試

今春の県立高校前期選抜では、受験した10名中9名が合格。残る1名がこれから後期選抜に向かう。

前期選抜は変な話だが中高一貫して同じ部活動を続ける生徒の方が有利に働くように思う。千葉県立高校の前期選抜はかつての特色化選抜の理念をそのまま継承しているので各校独自の基準で選考される。後期選抜は県統一の基準で選考される。大まかに、こう理解しておけばよい。

このうち前期選抜は2日間実施され、1日目は学力試験、2日目は学校独自の検査が行われる。特に運動系部活動の盛んな高校であれば、学校独自の検査に「自己表現」なる項目が設けられ、そこで種目ごとの実技検査が課される。学校にもよるが、前期選抜で不合格だった生徒よりも学力検査の得点の低かった生徒が合格してしまう場合があり、これはこの自己表現を始めとする、(こう言っては何だが)不透明な加点により番狂わせが生じることが往々にしてあるのだ。

だから前期で不合格になったからと言って自分を責めたり、面接の出来を反省し過ぎたりする必要はなく、後期で挽回すべく地道に学力点の確保に努めたほうが良い。この意味で、進学研究会のVもぎならばS・A判定で前期合格、B・C判定で後期合格と見れば良い。

先程の言志四録の中に「学問をするには、他人から無理強いされてするのではない。必ず自分の心に感じ奮起する所があって之をなし…」という章句があったが、勉強の内容に一歩踏み込んで論じてみれば、「○○しなさい」という指示がなければ動けない生徒ではなく、「○○しておこうね」「○○しておきなよ」程度の抽象的なアドバイスも聞き漏らさずに実行できる生徒になってもらいたいと願ってやまない。

公立高校は実際のところ、自分で動ける生徒向きの学校である。自分が動けば先生も動いてくれるが、自分が動かなかったら先生からは放っておかれるだけだ。常に受け身の姿勢でいる結果、授業選択も進路選択も後手後手となってしまい、気づいたら高校3年の卒業を迎える頃になっていた、というのはよくある話。

後期受験をする中3生はもちろんのこと、中2生にとってもいよいよ他人事ではなくなってきた。